結核性髄膜炎とはどんな病気か

  • 亜急性に発症することが特徴で、病理所見では、髄膜の混濁、肥厚(ひこう)がみられ、その変化は脳底部(のうていぶ)で強く、脳底髄膜炎とも呼ばれます。

結核性髄膜炎の原因は何か

  • 発症は主として、体内の他の部位の結核病巣からの血行性播種(けっこうせいはしゅ)(粟粒(ぞくりゅう)結核)によります。
  • 病発巣としては肺結核の頻度が最も高いのですが、リンパ節、骨、腎結核などもあげられます。

結核性髄膜炎の症状の現れ方

  • 発病は比較的緩やかで、頭痛、嘔吐、発熱などが現れます。
  • 項部(こうぶ)(うなじ)硬直が認められ、脳底髄膜炎の進行とともに、水頭症(すいとうしょう)による脳圧亢進、意識障害や動眼(どうがん)神経、外転神経麻痺などの脳神経麻痺がみられます。

結核性髄膜炎の検査と診断

  • ツベルクリン反応が陽性で、一部は陰性化します。
  • クオンティフェロンも結核感染の有力な指標となります。
  • 胸部X線所見の異常は約半数で認められます。
  • 髄液圧は上昇、リンパ球、単球細胞増加、蛋白増加、アデノシンデアミナーゼ活性上昇などの所見がみられます。
  • PCR法による結核菌ゲノム(遺伝子)の検出が迅速診断として有用です。
  • 頭部CT、MRI所見は脳底槽(そう)の異常所見、血管炎・水頭症の存在などが特徴的とされます。
  • 結核の既往歴の有無、胸部X線所見、頭部CT・MRI所見を参考にし、髄液からPCR法による結核菌ゲノム陽性、あるいは塗抹(とまつ)か培養検査で結核菌の存在を証明し、診断を確定します。

結核性髄膜炎の治療方法

  • 結核性髄膜炎が疑われた時点から、イソニアジド0・4g日(経口)、リファンピシン0・45g日(経口)、ピラジナミド1・5g日(経口)、ストレプトマイシン1g(筋注)の4剤を使います。
  • 重症例には副腎皮質ステロイド薬を投与することがあります。
  • 約30%の死亡率とされ、生存例の30%に後遺症がみられます。
  • 早期治療が重要です。
  • 長期間の治療になることが多く、抗結核薬の副作用(たとえば、ストレプトマイシンでは聴力障害)にも注意を払う必要があります。

結核性髄膜炎に気づいたらどうする

  • 比較的緩やかな発症で、頭痛、嘔吐、発熱などがみられた場合は、神経内科、内科、小児科の医師に相談してください。
結核性髄膜炎

結核性髄膜炎とは、結核菌の感染によって生じる髄膜炎で、現在でも死亡率の高い病気です。約2週間の経過で頭痛、発熱、意識障害が進行し、失明、難聴、水頭症(すいとうしょう)などの重い後遺症を残すことが多い難治性疾患で、早期に適切な治療が必要です。ほかの細菌性髄膜炎と比べ、亜急性(あきゅうせい)の発症・経過で、脳底髄膜炎(のうていずいまくえん)を示すことが多い病気です。 粟粒(ぞくりゅう)結核の75〜86%に発症します。以前は主に小児の疾患でしたが、現在では成人や老人が大半を占めるようになりました。