エイズ(AIDS)脳症<脳・神経・筋の病気>の症状の現れ方

 エイズ脳症の臨床症状は、認知、運動、行動障害を中心とした進行性の認知症が特徴です。しばしば集中力の低下、物忘れ、作業能率の低下などを訴え、無気力になったり、あらゆることに興味を失ったりします。また、幻覚、妄想(もうそう)、躁(そう)状態・うつ状態など幅広い精神障害もみられます。
 発病初期には運動障害はみられませんが、病気が進むと不安定な歩行、下肢の脱力、振戦(しんせん)(震え)などの運動症状がみられるようになります。症状が進行するにつれて、認知機能障害が著明となり、行動異常を示すようになります。
 末期には高度の認知症を示し、周囲に対して意味ある反応を示さず、ほとんど植物状態になります。約6カ月で日和見(ひよりみ)感染症などの合併症で死亡します。

エイズ(AIDS)脳症<脳・神経・筋の病気>の診断と治療の方法

 エイズの治療戦略としてHAART、すなわち逆転写酵素(ぎゃくてんしゃこうそ)阻害薬2剤とプロテアーゼ阻害薬1剤の併用療法をエイズ発症前から開始し、長期に継続するというものがあります。このHAARTは増え続けていたエイズによる死亡者数を減少させ、長期にわたってコントロールできる慢性疾患へと変化させました。そのためエイズ末期に発症するエイズ脳症の発症頻度は減少の傾向にあります。