パーキンソン病<脳・神経・筋の病気>の症状の現れ方

 初発症状は、片方の手の震え(安静時振戦(しんせん))や歩きづらさ(歩行障害)が多く、前かがみで小きざみに歩くようになります(図23)。筋のこわばり(歯車様固縮(こしゅく))や手足の震え(振戦)は当初は片側だけですが、進行するにしたがって反対側にも現れます。
 1歩めが出にくくなり(すくみ足)、歩幅も小さくなります(小きざみ歩行)。全体に動作が遅くなり(動作緩慢(かんまん))、方向転換や寝返りが苦手になります。歩いているうちに足が体に追いつかなくなり(突進現象)、姿勢の反射も障害されている(姿勢反射障害)ために前のめりの姿勢を立て直せずに転倒することもあります。
 そのほか、表情が乏しく(仮面様顔貌(がんぼう))、おでこや頬が脂っぽくなります。自律神経系では、便秘や立ちくらみ(起立性低血圧(きりつせいていけつあつ))が現れます。精神症状として、うつ状態もみられることがありますが、一般には知能は正常に保たれます。

パーキンソン病<脳・神経・筋の病気>の診断と治療の方法

 治療の基本は、抗パーキンソン病薬の内服治療です。中心になるのはドーパミンの前駆物質レボドパ(L‐ドーパ)で、脳内で減少したドーパミンを補充します。しかし、長期使用によって効果が減弱したり、血中濃度の変化に応じた症状変動(ウェアリング・オフ現象)、自分の意志とは無関係に口元が動いたり体がくねる不随意(ふずいい)運動(ジスキネジア)が現れることがあります。また、吐き気、不整脈などの合併症も認められることがあります。
 近年では、レボドパの内服量を減らし、補助薬を併用することが推奨されています。補助薬には、ドーパミンを受け取りやすくするドーパミン受容体刺激薬(ビ・シフロール、レキップなど)、ドーパミン放出を促進するアマンタジン(シンメトレル)、ドーパミン分解阻害薬のセレギリン(エフピー)などがあります。これらの併用で副作用を少なくし、効果を持続させることが可能になります。
 内服治療でコントロールが困難な症例では、定位脳手術や深部脳刺激法などの外科的治療法が検討されます。