脊髄空洞症<脳・神経・筋の病気>の症状の現れ方

 症状の現れ方は、空洞の大きさや長さによって異なります。頸髄(けいずい)に発生することが多いため、上肢や手の痛みまたは感覚障害で始まることが多く、空洞が拡大すると手や腕の麻痺や筋萎縮(きんいしゅく)、歩行障害、さらには排尿や排便の障害が出てきます。
 上肢にみられる感覚障害には特徴があり、温痛覚(おんつうかく)(温度や痛みの感覚)は障害されますが、触覚と振動覚・位置覚などの深部感覚は保たれます(解離性(かいりせい)感覚障害)。そのため、腕を強くつままれた時に触れられたという感覚はあるのに、痛みを感じない、あるいは火傷をしても熱さを感じないということが起こります。
 空洞が延髄(えんずい)に及ぶと(延髄空洞症)、顔面の感覚障害や嚥下(えんげ)障害が起こります。このため食事の際に飲み込みが悪くなったり、飲み込んだ水分が誤って気管に入る(誤嚥(ごえん))ことがあります。

脊髄空洞症<脳・神経・筋の病気>の診断と治療の方法

 感覚障害などの症状に対しては、薬剤による対症療法を行います。キアリ奇形に伴う脊髄空洞症の場合は、大後頭孔(だいこうとうこう)減圧術と呼ばれる外科的手術を行います。この手術は頭から首に移行する部分で脊髄周辺の空間を広げて、髄液の流れをよくするというものです。多くの例で、空洞が縮小して、症状も軽快します。
 しかし、症状がある程度以上進行してしまったあとで手術をしても有効でない場合が多いので、早期に診断して治療することが大切です。