甲状腺機能低下症とはどんな病気か

 甲状腺ホルモンは代謝を亢進(こうしん)させ、運動および精神機能を活発にさせるホルモンです。甲状腺機能低下症はこのホルモンの不足により甲状腺機能が低下する状態で、全身の臓器の機能低下が起こる病気です。

原因は何か

 甲状腺そのものの障害で起こる場合と、甲状腺を刺激するホルモンを分泌する脳のなかの下垂体(かすいたい)が損なわれ、二次的に甲状腺機能が低下する場合とがあります。多くの場合は甲状腺そのものが原因であり、免疫異常による慢性甲状腺炎橋本病)が多い傾向にあります。

症状の現れ方

 自覚症状は、活動性が低下し、寒さに対して弱く寒がりになります。また足がむくむなどの症状も起こり、元気がなくなってボーっとしているなど認知症(にんちしょう)と間違われることがあり、注意が必要です。神経症状としては、筋肉の障害(ミオパチー)、末梢神経障害(ニューロパチー)、運動失調などにより筋力低下、手足のしびれ、ふらふらするなどが起こります。
 さらに精神障害としては、成人では不活発な感情、思考力低下、記憶力・理解力・判断力の低下、抑うつ状態、幻覚、妄想(もうそう)、認知症などの多彩な精神症状が起こります。

検査と診断

 臨床症状からこの病気を疑いますが、痴呆症との見分けがいちばん重要です。甲状腺機能低下症は、内科的治療が可能です。確定診断をするために甲状腺ホルモンの測定が行われます。鑑別診断するために下垂体ホルモンを測定することもあり、原因として免疫異常の機序(仕組み)が疑われる時には、各種の自己抗体も測定します。
 甲状腺のがんなどを除外するため、甲状腺の超音波エコーなどの検査も行われます。

治療の方法

 診断がつけば甲状腺ホルモンの補充療法を行い、治療により著明な改善が期待できます。

甲状腺機能低下症に気づいたらどうする

 少しでも可能性があれば早急に受診し、検査を受けることが大切です。簡単な検査で診断できます。