糖尿病は近年栄養過多と肥満の増加により、急速にその罹患(りかん)率が高まっている慢性の病気です。治療が不十分な場合、血管の変性が進み、さまざまな神経合併症が起こりますが、そのなかでも臨床的に頻度が高いものは、末梢神経障害(ニューロパチー)と脳血管障害です。
 末梢神経障害では、多発性ニューロパチーの型として生じた場合、四肢の末端部のしびれ感や自律神経障害が起こります。また、ひとつの末梢神経が損われる単ニューロパチーとして起こることもあり、動眼(どうがん)神経や外転(がいてん)神経などの障害による眼球運動麻痺が起こることがあります。
 脳血管障害では、糖尿病は脳梗塞(のうこうそく)の重要な発症危険因子としてあげられており、高血圧高脂血症などとともに動脈硬化を進展させる要因であり、血管の閉塞(へいそく)を起こします。