フォルクマン拘縮(前腕部のコンパートメント症候群)<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 受傷後数時間後から発症する前腕部の腫脹(しゅちょう)と疼痛(とうつう)、指を他動的に伸ばそうとしても痛みのためにできない、指がしびれるといった症状が外固定や牽引(けんいん)をしても改善せず、進行性に悪化していきます。とくに疼痛、腫脹、チアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になること)、脈拍欠如、運動麻痺、異常知覚といった血管閉塞の明瞭な6症状が出現した時は手遅れの場合が多くなります。
 しかし、脈拍は欠損しない不完全な血管閉塞の場合が多いです。完全にフォルクマン拘縮ができあがってしまうと不可逆性の変化となり、手関節、指関節は屈曲拘縮(くっきょくこうしゅく)して鷲爪様変形になり、手指の機能は完全に失われます(図8)。

フォルクマン拘縮(前腕部のコンパートメント症候群)<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 動脈閉鎖後、フォルクマン拘縮が生じるまでの時間は6〜8時間といわれているので、適切な初期対応が重要です。まずは、可能な限り骨折の整復やギプスで圧迫など阻血(そけつ)の原因を除去します。
 改善がなければ緊急手術で筋膜切開を行い、内圧を減少させます。陳旧(ちんきゅう)例(古い病巣)では線維化した筋肉を切除し、再建手術が必要になりますが、完全回復は期待できません。