橈骨遠位部骨折とはどんな外傷か

 転倒して手のひらをついた時に手首に発生し、小児の骨折では最も頻度が高いものです。小児の手首には、骨の長さが伸びる成長軟骨板があります。この軟骨にかかる骨折を骨端離開(こつたんりかい)といいます。

見落としやすい外傷と合併損傷

 不全骨折(いわゆる「ひび」)では痛みやはれが軽く、X線写真をとらないとわかりません。橈骨と尺骨(しゃっこつ)という前腕の2本の骨が手首でつくる遠位橈尺(とうしゃく)関節が脱臼していることがあります。見落とすと手のひらを上へ向けたり下へ向けたりする前腕の回旋運動が障害されます。
 成長軟骨板に骨折がかかると、骨の長さが伸びる長軸成長が早期に終了して、将来手首に変形が生じることがあります。

症状の現れ方

 手首のはれ、痛み、皮下出血が現れます。完全骨折でずれが大きい場合は、変形や異常な動きがみられます。

検査と診断

 X線検査は骨折の部位や骨折型、脱臼の合併を確定するために必要です。はれ、痛み、圧痛、変形など局所の症状とX線写真で診断は容易です。

治療の方法

 完全骨折でずれが大きい場合は、ほとんどが手指側の末梢骨片が前腕側の中枢骨片の手の甲側に乗り上げて短縮しています。徒手整復を行ってずれを治します。整復できれば上腕から手までのギプス固定をします。不全骨折でも、末梢骨片が手の甲側に曲がっている時は徒手整復が必要です。
 どちらの場合でもギプスのなかで再び元の状態にずれがもどってしまうことがあります。この時は再度同様の処置を行うか、整復した状態で鋼線を挿入して骨折部を固定します。
 成長軟骨板に骨折がかかる骨端離開では、ずれの整復を何回も行うと、将来的に成長障害を起こす危険性が高くなります。徒手整復が困難な場合は手術を行います。

応急処置はどうするか

 上腕から手まで、肘を90度にして副木固定を行います。厚めの段ボール紙で代用できます。

関連項目

 骨・関節の外傷総論