四肢切断とはどんな外傷か

 四肢の切断とは、交通事故や労働災害などの外傷で、手や足が体から切り離された状態です。上肢や前腕、さらに大腿や下腿部での大きな外力による切断や、手の指のように末梢での切断などがあります。けがの原因から比較的若い人にみられますが、以前多くみられた手指の切断は労働環境の改善や指導で減少してきています。
 外傷以外にも重度の糖尿病(とうにょうびょう)や動脈硬化症(どうみゃくこうかしょう)で、末梢の手指や足趾(そくし)に血液が流れず、徐々に壊死(えし)に陥(おちい)って切断となることもあります。また、冬山登山での凍傷(とうしょう)でも起こります。

症状の現れ方

 完全に四肢が切断されていれば、圧挫(あつざ)され切断された断端からの出血がみられます。上肢や大腿部での切断では痛みと大出血によって、ショック状態を起こすこともあります。
 一部が軟部組織でつながっている場合でも血管が切断されていれば、指先などの末梢は白く脈の拍動を触れることができません。

検査と診断

 X線検査で骨の損傷状態をみます。完全な切断でない時には血管造影検査で血流の状態を調べます。

治療の方法

 現在は、顕微鏡を使用しながら血管や神経をつなぐマイクロ・サージャリーが発達しており、可能な限り再接着を行います。
 まず骨接合を行い、血管を縫合して血流を再開して、次に神経や筋肉・腱をつないでいきます。手術後は縫合した血管がつまらないように、点滴で血管拡張薬や血栓融解薬などを流します。
 不幸にも切断となった場合には、義手や義足などを作製して社会復帰に向けてリハビリテーションを行います。

合併症はどのようなものがあるか

 切断肢をつないだ場合でも、手術後に血液の流れがつまって循環状態が悪くなり、再切断になることがあります。さらに、上肢や大腿部での再接着では、術後に急な血流再開による腎障害などの再還流(さいかんりゅう)症候群を起こすことがあります。
 また、再接着が成功しても、癒着などで筋肉や腱の動きが悪くなり、手指が十分に曲がることができず、機能障害が残ることもあります。
 切断になった時には、切断部の痛み(断端神経腫(だったんしんけいしゅ))や失われた手足がまだ残っているような感覚と痛み(幻肢痛(げんしつう))がみられることがあります。

応急処置はどうするか

 再接着をするためには、けがから6時間から12時間以内の緊急手術が必要です。断端からの出血がひどい時には、きれいなタオルなどで圧迫して出血を抑え、切断肢の再接着ができる専門病院に連れて行きます。
 切断された手足は、泥や砂などを水道水で洗い流してビニール袋に入れ、その袋を氷を詰めた袋の中に入れて冷やした状態で病院に持って行きます。切断肢を直接、氷水の中に入れると、切断された手足に水分が浸透していき、膨張するので注意しなければなりません。