野球肩(水泳肩)とはどんな障害か

 投球、投てきや水泳、バレーボール、テニスなど肩に力がかかるスポーツで使いすぎにより肩痛を来すことがあります。これを野球肩、水泳肩などといいます。これらには種々の病態、すなわち回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)(ローテーターカフ)、関節唇(しん)、二頭筋腱の損傷や炎症、関節周囲の石灰化、亜脱臼(あだっきゅう)障害、滑液包炎(かつえきほうえん)、神経障害、インピンジメント症候群などが含まれます。


 また、特殊なものとしてリトルリーグ肩と呼ばれる障害があります。8〜15歳の少年で過度に投球動作を繰り返すことによって、上腕骨近位の骨端線(こつたんせん)(成長線)が離開してしまうものです(図39)。

症状の現れ方

 投球、投てき、アタック、スマッシュ、水かき動作などの繰り返しで肩に運動痛が現れ、やがて安静時痛や不安感を来すようになります。回旋筋腱板の損傷では肩の外転(腕を側方から上に挙げること)が困難になり、関節唇損傷では引っかかり感やクリッという雑音を聞くことがあります。

検査と診断

 病態により圧痛や痛みの部位が異なります。局所麻酔薬をそれぞれの部位に注射し、その効果によって病態を知る方法もあります(ノボカインテスト)。画像検査としてはX線、CT、MRIなどの撮影を行い、骨、軟骨、腱、関節唇などを調べます。

治療の方法

 病態によりまちまちですが、保存療法としては、スポーツ活動の休止、アイシング、ストレッチング、回旋筋群の等張性(一定の力かげんで動かす)の筋力トレーニング、ステロイド薬の局所注射を含めた消炎鎮痛薬の投与、最近ではヒアルロン酸の注射などが行われます。手術療法としては、回旋筋腱板断裂に対する縫合術、関節唇損傷に対する縫合や切除術などがあります。リトルリーグ肩では骨端線離開の程度がかなり大きな場合でも、多くは保存療法で治ります。

応急処置はどうするか

 肩の安静、アイシング、消炎鎮痛薬の投与を行います。再発予防などの目的でテーピングを行うこともあります。