ゲームキーパー拇指とはどんな障害か

 スポーツによる突き指で拇指(親指)の付け根の関節(MP関節)の小指側の側副靭帯(そくふくじんたい)が損傷を来したものをいいます。元来は、猟場番人(ゲームキーパー)が仕留めたウサギの首を拇指と他の指との間にはさんでひねり殺すことを繰り返したために発生した、慢性の職業性障害につけられた呼称です。
 しかし、最近ではスキー、バレーボール、ラグビー、野球などで拇指を外側へひねった際に発生するスポーツ外傷(スキーヤー拇指)のあとに、不安定障害が残ったものをゲームキーパー拇指と呼んでいます。

合併症

 拇指のMP関節が不安定なままスポーツ活動を続けると、変形性関節症を併発してしまいます。

症状の現れ方

 拇指を外側へひねるように突き指した際、拇指のMP関節の小指側に疼痛、不安定感を来し、つまみや握りの動作がうまくできなくなります。

検査と診断

 拇指のMP関節の小指側に疼痛、腫脹(しゅちょう)(はれ)、時に皮下出血が認められます。拇指をMP関節で屈曲させた状態にして外側へ力をかけると、関節の不安定性がみられます。X線検査では、同じように力をかけた状態で撮影(ストレス撮影)することで関節の動揺性が客観的にわかります。また、造影剤をMP関節に注入してX線撮影を行い、靭帯の断裂部位を確認することもあります。

治療の方法

 靭帯が完全には切れていない場合には、ギプスなどによる外固定の保存療法で治ります。しかし、完全断裂の場合には、早期から外固定(がいこてい)を行っても不安定性が残ってピンチ力(つかむ力)が低下し、最終的には変形性関節症に移行してしまうことが少なくないので、ストレス撮影などの検査の結果で手術療法が選択されます。手術では靭帯の縫合がしづらいことが多く、その場合引き抜き鋼線法やチタン製のアンカーを用いた靭帯縫合、靭帯形成術を行います。

予防対策

 スポーツ種目によっては、あらかじめテーピングなどで拇指を外側へひねるのを制御しておくように指導します。