骨軟骨腫とはどんな病気か

 骨軟骨腫は良性の骨腫瘍のひとつです。骨の表面から外側へ「こぶ」状に骨が飛び出したもので、その表面は軟骨組織でおおわれています。全体的な形から外骨腫(がいこつしゅ)ともいいます。表面をおおっている軟骨は、骨性の「こぶ」が帽子をかぶったようにみえるので軟骨帽(なんこつぼう)と呼ばれ、骨軟骨腫はこの軟骨帽と骨とが接している部分で骨が作られたり、軟骨帽の部分が厚くなることによって徐々に大きくなります。
 骨軟骨腫は骨腫瘍全体の約4分の1を占め、原発性骨腫瘍のなかで最も多く、良性の骨腫瘍の代表的なものです。軟骨帽の軟骨から悪性腫瘍である軟骨肉腫が発生することが知られていますが、その頻度は非常にまれです。
 骨軟骨腫は1個の場合がほとんどですが、約4〜5分の1の患者さんでは多発性で、多発性外骨腫と呼ばれます。多発性外骨腫では、軟骨肉腫が生じる頻度が約1割と高いことが知られています。

原因は何か

 成長期の骨には骨の両端に軟骨組織があり、この軟骨と骨の境界のところで骨が作られることにより骨全体が長くなります。この成長を司っている軟骨組織が、骨軟骨腫では本来にあるべきところから離れたところに生じ、本来の成長方向と異なった方向へ骨を作るようになったものと考えられており、通常、骨の成長が止まるとともに骨軟骨腫の増大も停止します。
 多発性外骨腫は遺伝性に生じることが多く、染色体の異常部位が少しずつ明らかになってきました。これが治療に対する鍵のひとつとして考えられています。

症状の現れ方

 骨軟骨腫をもっている多くの人は、病変が小さくて気がつかないで生活しています。ほかの原因でX線検査を行い、偶然に発見されることもあります。これが少し大きくなると痛みのない硬い「しこり」として触れるようになります。
 さらに大きくなると、周囲の筋肉や腱などを圧迫したり、滑らかな運動の妨げになるため、関節が動かしにくいとか痛いなどの症状を起こすようになります。また、血管や神経を圧迫すると、血行障害や神経の刺激症状として痛みを引き起こします。
 肘から先の部分や膝から下の下腿など、2つの骨が隣り合っているところでは、骨軟骨腫が隣の骨を圧迫して成長を妨げたり、変形を引き起こして痛みが生じることもあります。

検査と診断



 普通のX線写真で骨の「こぶ」を確認することができます(図42)。軟骨はX線写真には写らないので、軟骨帽の厚さや状態を確認することはできません。
 まれに生じる悪性化は軟骨帽の部分で起こります。この悪性化の時には、軟骨帽の厚さが増すことが指標となります。ですから、X線像では大きさが変わらないのに、触ると大きくなってきたと感じるような場合には、軟骨帽が厚くなったためかもしれないので、悪性化も念頭に入れて検査が進められます。

治療の方法

 骨の「こぶ」があっても、日常生活に支障がなければ、経過観察で十分です。
 しかし痛みが生じたり、関節の動きが悪くなったりした時には手術がすすめられます。骨軟骨腫のために神経が押されて麻痺したり、血管が押されて血液の流れが悪くなるなどの場合には早めの手術が必要です。さらに、軟骨帽の厚さが厚くなってきたとか、しこりが急に大きくなってきたなど悪性化が疑われる時にも手術が必要になります。

骨軟骨腫に気づいたらどうする

 注意すべきは痛み、関節の動きの障害と悪性化です。最も注意すべき点はやはり悪性化です。X線写真で多くのことがわかりますので、定期的に検査を受けることが必要でしょう。