内軟骨腫とはどんな病気か

 大人では、軟骨は関節の表面でみられます。弾力性があり、関節が滑らかに動けるようなはたらきをしています。また、軟骨は成長期には骨の端のほうにあって、盛んに新しい骨を作って骨を長く成長させる役目をもっています。このような軟骨組織が異常に増えてしまうのが軟骨腫です。
 ほとんどが骨の内部にできて単発性で、内軟骨腫と呼ばれます。手足の小さな骨にできることが多く、頻度はやや少ないですが、大腿骨(だいたいこつ)や上腕骨などの大きな骨にも生じます。
 まれに多発することがあり、多発性内軟骨腫症といわれます。多発性内軟骨腫症には片側半身だけに多発するオリエール病と、軟部腫瘍のひとつである血管腫を合併するマフーチー症候群が特徴的な病態として報告されています。多発性内軟骨腫症では、多発している軟骨腫から軟骨肉腫へと悪性化する危険があり、オリエール病やマフーチー症候群では、この悪性化の率が高いことが指摘されています。

原因は何か

 単発性は原因が不明ですが、多発性は家族性の発生もあることから遺伝性素因の関与も指摘されています。

症状の現れ方

 手足などの小さい骨に内軟骨腫が生じると、軟骨腫が骨を内側から削ったり、骨を膨張させるように変形させたりします。初期だと痛みもなく、ほかの原因でX線検査を行い、偶然に見つかることもよくあります。
 徐々に内軟骨腫が大きくなり、骨が薄く弱くなると痛みが出てきます。また、少しの衝撃で骨折を起こして発見されることがあります。このように普通の状態の骨なら骨折しないのに、少しの衝撃で折れることを病的骨折といいます。

検査と診断

 骨の内部の内軟骨腫が大きくなるにつれ、骨は内部からかじられたようになって薄くなるために、X線写真では骨の内部が全体として透明になって見えます。この透明になった部分のなかに、点状の石灰のような白い部分が観察されます。これを石灰化といいます。
 CT像では、骨内部の溶けた部分と石灰化がみられます。軟骨はMRI検査では、水分を強調するT2強調像で高い均一な信号が得られます。

治療の方法

 痛みを伴う場合や、骨の外側の厚い部分(骨皮質)が薄くなって病的骨折を起こす危険がある時には手術が必要です。病的骨折を起こしている場合には、よい形に直し、骨折を治してから手術を行います。
 摘出したあとにできた骨欠損部には骨を移植します。以前は、内軟骨腫の部分とは別に切開を入れて骨盤など自分の骨を一部とり、これを移植しましたが、現在では人工骨を移植用に用いることが多くなりました。

内軟骨腫に気づいたらどうする

 ほかの原因でX線写真をとった時に偶然に発見された場合には、定期的にX線検査を行い、経過観察でよいでしょう。日常生活の運動制限は、骨折を起こさないような注意が必要となります。