動脈瘤様骨嚢腫とはどんな病気か

 骨嚢腫と同じく骨のなかが空洞状になる病変ですが、骨嚢腫とは異なり内部にたまっているのは血液です。さらに骨嚢腫と違って、嚢腫壁に種々の程度の充実した組織が存在し、病気の拡大はより速く、腫瘍ではありませんが腫瘍を疑わせることがあります。 「動脈瘤様」といっても、血管が詰まっているものではなくて、骨を作る細胞と骨を壊す細胞、それに不規則な骨からなる組織で裏打ちされた空洞がいくつか集まって形成されています。
 注意すべきことは、ほかのいくつかの良性骨腫瘍ではその内部に血液がたまる性格があり、部分的に動脈瘤様骨嚢腫に似た部分を形成することがあることです。骨巨細胞腫(こつきょさいぼうしゅ)(骨を壊す細胞に似た細胞が腫瘍になったもの)、軟骨芽細胞腫(なんこつがさいぼうしゅ)、あるいは線維性骨異形成(せんいせいこついけいせい)などでこのような変化が起こります。
 このように、全体は腫瘍で部分的に動脈瘤様骨嚢腫に似た変化がみられる場合、動脈瘤様骨嚢腫という診断ではなく、骨巨細胞腫、軟骨芽細胞腫、線維性異形成という病名になります。病変の全体に腫瘍がなく、純粋な動脈瘤様骨嚢腫といえる場合に本症と診断します。

症状の現れ方

 痛みを伴った腫脹(しゅちょう)で気づきます。「動脈瘤様」といっても、拍動は認めません。

検査と診断



 X線写真では、骨の一部が大きくふくらんで確認されます(図45)。MRI像では、空洞の内容が固まっていない血液であるため、特徴的な液面形成という所見がしばしば認められます。また、一部に造影剤で強調されて見える充実性の腫瘤が確認されると、確定診断の鍵となります。
 区別すべき病気としては骨巨細胞腫があげられます。先に述べたように、一部に動脈瘤様骨嚢腫に似た像を有することも多く、鑑別が困難なこともあります。骨巨細胞腫では骨の端の部分である骨端にも病変がありますが、動脈瘤様骨嚢腫では骨幹端(こつかんたん)に病変の中心があることなどが画像の大きな違いです。画像で区別がつかない場合には、細胞を調べる生検が必要になります。

治療の方法

 手術によって、嚢腫の内部を掻爬(そうは)することで治る場合と、再発する場合があります。変化のある骨全体を切除できれば治りますが、場所によっては困難なことがあるため、発生部位や変化の程度に応じた手術法が必要です。