がんの骨転移<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 痛みが主体です。脊椎(せきつい)に転移した場合には、腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアに似た神経の刺激症状として現れることもあります。原発のがん病巣がはっきりしている場合には、がんの骨転移を疑ってX線や核医学検査を行って診断することができます。
 時々、原発のがん病巣が検査でも見つからないくらい小さいのに、骨転移病巣が大きくなって見つかることがあります。この場合は原発性骨腫瘍との区別が難しくなります。がんが血管のなかに入り込む状態なので、病気の進みが速いために骨の破壊が急速に起こり、少しのことで骨折が生じる病的骨折で初めて気がつくこともあります。

がんの骨転移<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 抗がん薬やホルモン療法など、原発のがん腫に有効な治療が行われます。病的骨折のある場合や、いつ病的骨折が起きても不思議ではない状態では、全身状態を考慮したうえで、骨接合術(こつせつごうじゅつ)や人工材料による置換術(ちかんじゅつ)を行います(図49)。
 骨転移は多発することが多いのですが、もし1個だけで、かつ原発のがん腫がしっかり治療されていて、ほかの内臓、たとえば肺や肝臓、脳、腎臓などに転移病巣が見つからない場合には、骨転移病巣を骨腫瘍と同じように切除します。
 いずれにしても全身疾患として位置づけられ、全身状態の把握が大切です。手術は、患者さんにとって何が最善かを十分検討したのち、選択すべきです。