リンパ管腫とはどんな病気か

  • リンパ管とは、血管と同じような管腔構造をもち、体のむくみを起こさないように体液を循環させる役割や、外部から侵入する病原体から体を守る免疫機能を維持する役割を担って、体中に張りめぐらされている管です。
  • このリンパ管組織が異常に増殖した状態をリンパ管腫といいます。
  • 顕微鏡でみると、リンパ管が正常よりも広く拡大しているのがわかります。
  • 体のあらゆる場所に発生しますが、4分の3以上は頭や首のまわり(頭頸部)に発生するといわれています。
  • ほとんどの症例は、生下時(生まれたとき)を含む2歳以下の乳児に発生します。
  • 皮膚に発生する表在性リンパ管腫と、より体の深い部分に発生する深在性リンパ管腫に分類され、治療法が異なります。

リンパ管腫の原因は何か

  • 胎児期の発育とともに、正常ならなくなってしまう組織が何らかの原因でリンパ管の形成異常として残ったものと考えられています。
  • 正常であるはずの組織が、遺伝子異常などによって異常な増殖を起こす腫瘍(新生物)とは病態が異なると考えられていますが、一部の遺伝性疾患(ターナー症候群など)に発生しやすいことから、遺伝子の異常が発症に関与しているとの学説もあります。

リンパ管腫の症状の現れ方

  • 表在性リンパ管腫は、皮膚にピンク色から暗赤色の水泡(すいほう)が多く発生し、徐々に大きくなります。
  • 深在性リンパ管腫の場合は、なかに液体をためたような軟らかい瘤(こぶ)として発症しますが、通常痛みはありません。
  • 胸やおなかのそばに発生した場合、胸部や腹部の臓器を圧迫することがあります。

リンパ管腫の検査と診断

  • 皮膚に発生した場合は、特徴的な外見だけで診断が可能であることが少なくありません。
  • 深在性リンパ管腫の場合、病気の広がりを確認するために、超音波検査、CTやMRIなどの画像検査を行います。
  • 最終診断は顕微鏡での検査で行います。

リンパ管腫の治療方法

  • 表在性リンパ管腫の場合、あまり大きくならないようなら治療せずに様子をみることがあります。
  • 皮膚の変化が目立つ場合や大きくなる場合は、手術で切除することを検討します。
  • 深在性リンパ管腫の場合は周囲との境界が明瞭でないため、手術だけだと十分に病変が取り切れず再発の原因になります。
  • そこで病変の内部にわざと炎症を起こす薬剤(OK‐432)を注入して壁を破壊・癒着(ゆちゃく)させる硬化療法が選択されることがありますが、もちろん手術も行われています。

リンパ管腫に気づいたらどうする

  • 皮膚病変の場合は皮膚科で、深部病変の場合は小児外科で治療することが多いようです。

関連項目

リンパ管腫

外界からの異物やウイルス、細菌などに対する防御のために、リンパ組織が体中に張り巡らされています。その中心的なはたらきをするものとして、リンパ節とそれらを結ぶリンパ管があります。このリンパ管の先天的な形成異常により生じる病気がリンパ管腫です。 なかがいくつもの部屋に分かれた、大きく拡張したリンパ管が腫瘤(しゅりゅう)(こぶ)を形成し、ほとんどは2歳以下の乳幼児に頸部腫脹(けいぶしゅちょう)という形で発症します。