悪性線維性組織球腫<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 痛みのない瘤として意識されることが多いようです(図57‐(a))。非常に巨大なもの以外、痛みや運動障害などの原因となることはまれです。
 よくできる場所は、手足、とくに大腿部(ふともものあたり)ですが、腹部臓器のまわり(後腹膜腔(こうふくまくくう))や骨盤のまわりなど体幹部にも発生します。多くは筋肉のなか、あるいは筋肉と筋肉の間(筋間)など体の深いところに発生しますが、皮下組織(皮膚と筋肉の間)といわれる体の表面に近い場所にも発生します。
 約5%の患者さんは、病気が見つかった時点で、すでにほかの部分に転移巣があります。転移が発生する臓器は肺が多いとされています。

悪性線維性組織球腫<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 体内に腫瘍を残さない手術(広範切除)が必要です。非常に急速に増殖するため、大規模な手術となることも少なくありません。図57‐(c)に示すように、まわりの組織で腫瘍を包み込むようにひとかたまりにして取り出すします。この手術法を広範切除術と呼びます。こうした手術の理論と手技が確立されたことで、悪性軟部腫瘍の再発率を著しく下げることができるようになりました。
 病気が見つかった時には、悪性の細胞が体中に広がっている可能性を考えて、全身に抗がん薬を投与する機会が増えています。しかし、患者さんが高齢であるなど、抗がん薬の副作用が強く出てしまうことが予想される場合は、手術のみで様子をみることになります。