結核性関節炎とはどんな病気か

 肺結核の原因である結核菌によって関節に炎症を引き起こす病気です。結核は以前に比べると少なくなりましたが、現在でもなお毎年2〜3万人の人が発症しており、結核性関節炎も今なお注意すべき重要な病気のひとつです。

原因は何か

 結核菌が血液を通して関節に流れ込み、関節炎を引き起こします。関節炎が続くと、次第に関節の表面の軟骨が壊され、さらに骨まで破壊されて、関節がくっついてしまう(強直(きょうちょく))こともあります。この関節炎は、股関節、膝関節、仙腸(せんちょう)関節に発症することが多いと報告されています。
 糖尿病、悪性腫瘍、薬物の常用(副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤など)などで治療中の人や高齢者は、結核性関節炎にかかりやすく、また治りにくくなる傾向があります。

症状の現れ方

 関節の痛みやはれがみられますが、程度は化膿性(かのうせい)関節炎ほど強くはなく、発赤や熱感もあまりみられません。関節を包む膜が厚くなって、硬いしこりを触れることもあります。進行すると、関節の外にうみが出て、さらに皮膚に孔があき(瘻孔(ろうこう))、うみが出てくることもあります。
 微熱、食欲不振、寝汗などを伴うこともありますが、肺結核の症状がみられない場合も少なくありません。

検査と診断

 血液検査では、赤血球沈降速度の亢進、C反応性蛋白(CRP)の陽性など、炎症性の変化がみられます。
 X線検査では、最初に関節の周囲の骨が薄くなり、進行すると次第に骨の破壊がみられます。病巣の範囲を調べるにはMRIによる画像検査が有用です。
 診断には結核菌を証明することが最も重要です。注射器で関節を穿刺し採取した液を培養して、結核菌の有無を調べます。関節の組織の一部を採取して顕微鏡による検査(病理学的検査)を行うこともあります。また、肺結核に対する検査も必要であり、肺のX線検査、ツベルクリン反応、クォンティフェロン検査、喀痰(かくたん)培養、呼吸機能検査、胃液検査も必要になります。

治療の方法

 結核に対する治療と関節炎に対する治療を並行して行います。
 結核に対しては、安静、食事療法、薬物療法(抗結核薬)が行われます。痰から排菌している場合には、専門施設での隔離が必要になります。
 関節炎を起こしている局所に対しては、ギプスや牽引(けんいん)などによる安静、固定を行います。炎症が治まらない場合や瘻孔からうみが出ている場合には、外科的治療が必要になります。手術は関節を切開して、うみや炎症のため傷んでしまった部分を切除します。進行して骨まで傷んでいる場合には、関節を固定する手術を行うこともあります。

結核性関節炎に気づいたらどうする

 肺結核の既往があって、関節炎の症状があれば、すぐに整形外科を受診してください。肺結核に対する検査や治療も行う必要があるため、内科と共同で行うことになります。

関連項目

 化膿性関節炎脊椎カリエス