変形性腰椎症とはどんな病気か

 変形性腰椎症は、腰椎の加齢変化により腰痛が起こる疾患です。通常は椎間板(ついかんばん)の加齢変化を基盤として、椎間関節や靭帯(じんたい)組織などにも、変性と呼ばれる変化を来し、その結果、筋肉組織を含め腰部の疼痛やだるさなどの局所症状をもたらします。

原因は何か

 加齢が主な原因です。変性を増悪させる因子としては、重労働や遺伝的素因などがあげられます。

症状の現れ方

 主な症状は腰痛です。通常は、朝起床時などの動作開始時に強く、動いているうちに軽減します。長時間の同一姿勢でも腰痛は増強します。腰痛の部位は腰部全体に漠然と感じる場合や、棘突起(きょくとっき)と呼ばれる正中の骨組織の周囲であったり、傍脊柱筋(ほうせきちゅうきん)であったりとさまざまです。また、臀部(でんぶ)や大腿後面まで痛みを感じることもあります。とくに臀部の痛みは高頻度に見られます。
 変形が高度になると、外見上も体が側方に曲がったり(側弯(そくわん))、後ろに曲がったり(後弯(こうわん))し、腰痛のため長時間の立位が困難になってきます。

検査と診断

 腰痛が主体で下肢症状があっても軽微な場合では、X線検査で骨組織の加齢的変化を確認し、さらにその他の疾患を除外することで本症の診断がつきます。
 X線検査で加齢変化がみられても、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)などでは下肢の症状が主体になることが多く、本症とは区別されます。腰痛を起こす脊椎以外の疾患、すなわち腎臓や膵臓(すいぞう)などの内臓疾患や婦人科疾患、さらに解離性大動脈瘤(かいりせいだいどうみゃくりゅう)なども除外診断としてあげられます。

治療の方法

 痛みに対する保存療法が基本です。薬物療法では消炎鎮痛薬や筋緊張弛緩薬などを投与します。筋肉部分に痛みがある場合は、局所麻酔によるトリガーポイント注射と呼ばれる注射が効果的です。
 また、腰部に対する温熱療法や牽引療法などの理学療法も疼痛緩和に有効な場合が多く、ほかの治療法と組み合わせて行われます。症状が軽い時は、腰痛体操や軽い運動などで体幹の筋力をつけることも腰痛の予防や軽減に役立ちます。

変形性腰椎症に気づいたらどうする

 本症の診断を受けた場合、まずは心配のいらない病名ですが、腰痛はさまざまな疾患で現れる症状ですので、症状に変化があれば整形外科を受診して再検査を受けたほうがよいでしょう。