脊髄損傷<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 脊髄のどのレベル(部位)で、どの程度の障害を受けたかで症状は大きく変わってきます。部位に関しては、損傷を受けた部位以下の脊髄が麻痺症状を起こすため、部位が脳に近いほど麻痺する部位は広範囲となります。
 程度に関しては、脳からの命令が完全に伝わらなくなって動きがなくなる完全型から、損傷部位に一部機能が残存している不完全型(少し筋力が弱くなるなど)があります。運動、知覚機能の障害だけではなく自律神経にも障害が及ぶため、排尿、排便、呼吸、血圧調節機能に障害が生じることがあります。

脊髄損傷<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 脊髄や神経は、骨や皮膚とは異なり再生能力の乏しい組織であり、完全に損傷された場合には再び機能を取り戻して修復されることはほとんどありません。このため、急性期の治療は、損傷した脊椎(骨)を修復し、安定させ、早期にリハビリテーションが受けられるようにすることが主体となります。
 損傷を受けた脊椎が不安定である場合には、体を動かすことで麻痺範囲がさらに広がる恐れがあるため装具や手術が必要となります。手術の目的は損傷部位を安定化させることであり、リハビリテーションを早期に開始することができます。障害部位が頸椎の場合は、呼吸障害、低血圧、徐脈などが生じ、集中治療室(ICU)での管理が必要となる場合があります。
 損傷した脊髄・神経の治療はいまだ基礎研究の段階であり、今後のさらなる発展が望まれます。