斜頸<運動器系の病気(外傷を含む)>の症状の現れ方

 新生児の時の顔の向き癖で指摘され、胸鎖乳突筋に腫瘤を確認されると筋性斜頸が指摘されます。このため、乳幼児までに診断がついていることが多く、成人以降に急に発症することはほとんどありません。頸部の側屈あるいは回旋制限によって気づくこともあります。
 右側に発症することが多く、顔は左側を向き、頭部は右側に傾き、右肩が左よりも挙上されている状態が典型的な症状です。
 これらの症状が学童期まで続くと、顔面の形状に左右非対称が現れることがあります。股関節の低形成や足の変形などの運動器の先天的異常を合併していることも多くあります。
 症状は一般的に、徐々に増悪してくる場合が多いといわれています。
 基本的な不随意運動や異常姿勢は、頸部の左右へのねじれが多く、いくつかの頸部の動きが複合した異常姿勢を示します。
 精神的ストレスや歩行、発語などにより増強することが多く、睡眠中は消失し、手を顔の向く側の頬にあてたりする動作で改善することもあります。不随意運動時に頸部の疼痛(とうつう)や頭痛を伴う場合も多くみられます。

斜頸<運動器系の病気(外傷を含む)>の診断と治療の方法

 生後1年半までは、保存的に治療を行うのが通常です。具体的には、子どもの顔面が正面を向くように枕やタオルで工夫します。授乳や話しかけはできるだけ患側から行い、患側を向く時間が長くなるように工夫します。患部のマッサージ治療は効果がないとの報告があります。
 多くの場合は自然治癒しますが、そうでない場合は3〜4歳で、胸鎖乳突筋の腱切り術といわれる手術を受けることが望ましいと報告されています。
 治療は、精神安定薬や筋弛緩薬などの薬物療法やボツリヌス毒素療法、精神療法が行われますが、原因がはっきりしていないために治療効果は一様ではありません。
 症状が消失する場合は20〜30%と少ない報告が多いですが、ほかの部位にまで広がることはまれで、症状が固定されていくことが多いといわれています。薬物療法に効果がなく器質的な病変がある場合は、手術的治療が行われることがあります。