トキソプラズマ性網脈絡膜炎<眼の病気>の症状の現れ方

 症状は、先天性と後天性で異なります。先天感染の場合は、眼球振盪(がんきゅうしんとう)、斜視(しゃし)などを合併し、病変が黄斑部(網膜のいちばん感度のよい部分)を侵すために、視力障害が生じます(図29)。また、先天感染の瘢痕病巣が再発した場合は、飛蚊症(ひぶんしょう)(コラム)や視力低下の症状が生じてきます。
 エイズの人などに起こる後天感染では、激しい硝子体混濁(しょうしたいこんだく)、前眼部の炎症による痛み・羞明(しゅうめい)(まぶしく感じる)、飛蚊症、視力低下が起こります。

トキソプラズマ性網脈絡膜炎<眼の病気>の診断と治療の方法

 日本ではこの病気に対し、アセチルスピラマイシンの内服治療が行われます。約4〜6週間内服し、効果がある場合は継続します。発症に免疫反応が関与していることが示唆されているので、ステロイド薬の内服を併用する場合もあります。
 先天性またはその再発の場合、診断・治療方針は、ほぼ確立されています。問題は後天感染の場合です。先天性のような典型的な眼底像を伴わないため、診断に苦慮することが多いのが現状です。
 また、前述したように発症原因もいまだ明らかではありません。しかし、その背後に何らかの免疫不全状態があると考えられ、それによる不顕性感染の顕性化(今まで体内にいて病気を起こさなかったものが突然に病気を引き起こすようになること)が指摘されています。このような場合、背後に何らかの全身性の病気が隠れていないかを調べることが重要です。