外耳道湿疹とはどんな病気か

 湿疹とは、湿潤を主徴とする皮膚炎群の総称です。皮膚に外的刺激が加わると、浮腫性の紅斑が出現し、炎症が強くなるにしたがって丘疹(きゅうしん)→漿液性(しょうえきせい)丘疹→水疱(すいほう)→膿疱(のうほう)へと進み、湿潤とびらんを示してきます。乾燥すると痂皮(かひ)(かさぶた)化し鱗屑(りんせつ)となって治癒に至ります。


 この病態の変遷を、湿疹三角と呼んでいます。湿疹は体のどの部位にも生じますが、外耳道・耳介は皮膚の直下に軟骨があるので、浮腫を生じやすい特徴があります(図12)。

原因は何か

 外耳道の入口部は毛嚢(もうよう)、耳垢腺(じこうせん)、皮脂腺が豊富であるため、たえず分泌物や耳垢が付着し、細菌が付着しやすい状態にあります。耳いじりが過ぎると、皮膚の一部がはがれ、皮膚炎になります。外耳道湿疹の原因には、(1)外傷、(2)感染(細菌性・真菌性)、(3)接触性、(4)脂漏性(しろうせい)湿疹、(5)アトピー性、(6)原因不明などが考えられます。

症状の現れ方


(1)外傷性

 ひっかき傷、綿棒(耳かき)による皮膚の剥奪(はくだつ)から生じます。
(2)細菌性
 中耳炎などの化膿性病変に続発するもので、耳漏(じろう)や点耳薬も原因になります。
(3)接触性皮膚炎


 原因物質では衣服、化粧品、装身具に付属する金属、とくにニッケル、クロムやホルマリン、外用薬中に含まれる防腐剤であるパラベン、補聴器で使うイヤーモールドなどのシリコンによる接触アレルギーです(図13)。
(4)脂漏性湿疹
 脂腺や耳垢腺の分泌異常による湿疹で、頭髪部の脂漏(しろう)を伴うことが多く、とくに乳幼児に多い皮膚炎です。
(5)アトピー性皮膚炎(AD)
 初期は顔面・頭部に好発する乳児湿疹様の皮疹で、いわゆる“耳切れ”が生じます。のちに乳幼児乾性湿疹(にゅうようじかんせいしっしん)や苔癬化(たいせんか)が生じ、かゆみの強い肥厚した“アトピー皮膚”へと移行します。

検査と診断

 体部白癬(たいぶはくせん)(真菌感染(しんきんかんせん))、丹毒(たんどく)との区別が重要です。
 体部白癬では、皮疹の鱗屑から苛性カリ標本を用いて真菌要素を顕微鏡検査することで診断が可能です。
 丹毒は溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)による真皮の感染性疾患で、突然の悪寒(おかん)・発熱や頭痛・口渇を伴って、主に顔面、下腿に熱感・圧痛を伴う広範な浮腫性紅斑を示します。皮膚と皮下の化膿性炎症なので、湿疹との区別は容易です。

治療の方法

 耳をいじる習慣をやめさせることと、原因物質を突きとめ、それとの接触を回避することが原則です。ステロイド外用薬が奏効しますが、使用法を誤ると強い副作用が現れるため、使用の際は専門医の指示が必要です。