耳性帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)とはどんな病気か

 帯状疱疹とは、過去に水痘(すいとう)(みずぼうそう)にかかった際に、神経節に住み着いた水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化することで、一定の神経支配領域に紅斑を伴った小水疱(しょうすいほう)が集まって出現する疾患です。


 神経走行に一致して帯状に皮疹が現れることにより、この名があります。とくに水疱が耳介(じかい)・外耳道に生じ、顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)、内耳神経症状(難聴めまい)を伴うものを、耳性帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)と呼びます(図14)。

原因は何か

 顔面神経膝神経節(しつしんけいせつ)や前庭(ぜんてい)神経節、頸髄(けいずい)神経節などに潜伏感染していたVZVの再活性化については、肉体的・身体的ストレスや免疫力低下などにより、抵抗力が低下することなどが原因と考えられています。

症状の現れ方

 耳周囲や耳後部の違和感・鈍痛が現れ、数日後に耳介や外耳道の周囲に紅斑を伴った小水疱が現れます。顔面神経麻痺、内耳神経症状(難聴めまい)を伴います。三叉(さんさ)神経領域・舌咽(ぜついん)神経領域に達すると激しい耳痛・嚥下時痛が生じ、水疱が治癒したあとも痛みが残ることもあります。

検査と診断

 外耳道を中心とする典型的な水疱性発疹を確認することで、診断は容易です。確定診断には、血清抗体価や特異的IgMの上昇を測定する方法や、モノクローナル抗体を用いたウイルス抗原を検出する方法があります。

治療の方法

 抗ウイルス薬(アシクロビル)と、顔面神経麻痺に対する抗炎症・抗浮腫の目的で副腎皮質ステロイド薬が用いられます。痛みに対しては、消炎鎮痛薬のほか三叉神経痛治療に準じてカルバマゼピンの内服や星状(せいじょう)神経節遮断が行われます。

耳性帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)に気づいたらどうする

 耳性帯状疱疹に合併した顔面神経麻痺は、不全麻痺(完全治癒にいたらず、わずかな麻痺が残る)や病的共同運動(目を閉じようとすると口元が引きつれる)などの後遺症を残すことがあるので、早期に耳鼻咽喉科専門医の診察を受けてください。