ぜんていしんけいえん前庭神経炎の症状や原因・診断・治療方法と関連Q&A
英語/英訳:Vestibular neuritis
- 出典|「六訂版 家庭医学大全科」株式会社法研発行
- 総合監修者
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各編別監修者|耳の病気|八木聰明 - 千葉・柏リハビリテーション学院・学院長
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執筆者|
工田昌矢 - 広島大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科診療准教授
前庭神経炎とはどんな病気か
- 片側内耳の前庭器官が急激に障害され、突発的にめまいが起こる病気です。
前庭神経炎の原因は何か
- 原因は不明ですが、めまいが起こる前に、かぜのような症状があることが比較的多いので、ウイルスなどの感染が原因として考えられています。
前庭神経炎の症状の現れ方
- 激しい回転性のめまいが急に起こり、普通それが数日〜1週間程度続きます。
- めまいには、吐き気や嘔吐、冷や汗を伴いますが、難聴や耳鳴りなどの聴覚の症状を伴わないのが特徴です。
- めまいはその後、少しずつ軽くなっていきますが、発症から1週間程度は歩行に困難を感じます。
- めまいは発症から3週間くらいでほぼおさまりますが、体を動かした時や歩く時のふらつきは、しばらくは持続するのが一般的です。
- 時には6カ月くらいたってもふらつきが持続することがあります。
前庭神経炎の検査と診断
- 聴力検査では正常の場合が多く、温度眼振(がんしん)検査(コラム)では患側の耳の温度反応が高度に低下したり、反応がなくなったりします。
- めまい発作の時には、方向が固定された水平性眼振を認めます。
前庭神経炎の治療方法
- 安静と薬による治療が主体になります。
- 早期に治療すれば、一度障害を受けた前庭機能が回復することがあります。
- このような時には、比較的早くめまいが軽くなります。
- しかし、早期の治療にもかかわらず、症状がだらだらと長く尾を引くことがあります。
- このような時は、その状態に早く慣れるためにも、めまいに対するリハビリテーションが必要になります。
前庭神経炎に気づいたらどうする
- 早期の診断と治療が必要です。
- 他のめまいを起こす病気との区別も早くしなければなりません。
- できるだけ早く専門医の診察を受けてください。