小児副鼻腔炎とはどんな病気か

 小児で副鼻腔に炎症を起こした場合をいいます。急性の副鼻腔炎は成人と比較してまれなので、ここでは小児の慢性副鼻腔炎について述べます。成人慢性副鼻腔炎と同様に、副鼻腔の炎症が慢性化したものをいいます。成人の慢性副鼻腔炎と比較して薬の効果が高く、保存的治療で治る場合が多いです。また、アレルギー性鼻炎を合併する場合が多く認められます。

原因は何か

 原因菌として、インフルエンザ菌、肺炎球菌が多く認められます。成人の慢性副鼻腔炎の原因になる黄色ブドウ球菌はあまり多くありません。最近、ペニシリン耐性肺炎球菌、ペニシリン耐性インフルエンザ菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌など、抗菌薬の効きにくい菌が増えています。

症状の現れ方

 鼻づまりと鼻汁(びじゅう)が起こりやすくなります。成人の慢性副鼻腔炎に多くみられる、においがわからない、鼻汁がのどに回るなどの訴えは少ないです。アデノイドの肥大やアレルギー性鼻炎が加わることがしばしばあり、鼻づまりをさらにひどくさせ、いびきや口呼吸が生じることがあります。

検査と診断

 鼻のなかには鼻汁が認められます。成人の慢性副鼻腔炎と比較して鼻茸(はなたけ)をみることは少なく、鼻粘膜のはれを来すことが多くみられます。単純X線検査で副鼻腔に陰影があれば診断できます。
 アデノイドの肥大やアレルギー性鼻炎が合併しやすいので、アデノイド肥大の有無やアレルギー検査を同時に行うことは大変重要です。

治療の方法

 耳鼻咽喉科専門医で、定期的に鼻・副鼻腔にたまった鼻汁をきれいに取り除いてもらいます。成人と比較して、マクロライド系抗菌薬を少量ずつ長期に使用するとよくなることが多く認められます。膿性鼻汁(のうせいびじゅう)の場合には、鼻汁細菌検査を行って細菌に有効な抗菌薬を投与します。とくに、ペニシリン耐性菌やメチシリン耐性菌が検出された場合には、より慎重に抗菌薬を投与する必要があります。
 アレルギー性鼻炎が合併する場合には、アレルギー性鼻炎に対して抗アレルギー薬の投与や抗原特異的免疫療法が行われます。改善がみられない場合には、手術を行います。副鼻腔が発育過程にあるため、一般に10歳以下では鼻茸切除のみ行います。10歳以上には、内視鏡を用いて鼻内副鼻腔手術が行われます。再発予防のため、手術後も耳鼻咽喉科専門医の診察を受け、鼻の処置や薬物の投与が必要です。

小児副鼻腔炎に気づいたらどうする

 鼻づまりや鼻汁が認められ、よくなる気配がなければ、耳鼻咽喉科を受診します。放置すると鼻茸が出てきたり、副鼻腔炎が重症化し、手術が必要になる可能性が高くなります。

関連項目

 慢性副鼻腔炎