顎骨嚢胞<口・あごの病気>の症状の現れ方

 症状としては、原因となった歯の変色、打診痛、根尖に相当する歯肉部の圧痛や瘻孔(ろうこう)の存在、圧迫による不快感、骨の膨隆(ぼうりゅう)などです。X線所見では、原因となった歯の根尖付近に接し、歯根膜腔に移行する類円形の透過像がみられます(図18)。
 症状は、顎骨(がくこつ)の無痛性の膨隆や、増大して顎骨の皮質骨が吸収された結果、骨が薄い乾燥した皮のように感じられたり(羊皮紙様感(ようひしようかん))、該当する歯の萌出(ほうしゅつ)の遅延、歯並びの変化などです。永久歯が形成され萌出する時期の年齢(10〜20代)に多くみられ、部位としては、上顎では前歯部、犬歯(けんし)部、下顎では智歯(ちし)部、小臼歯(しょうきゅうし)部によく起こります。
 X線所見では、歯冠を包み込むような類円形の透過像がみられます(図19)。

顎骨嚢胞<口・あごの病気>の診断と治療の方法

 嚢胞が小さければ、歯の内部を経由した治療法(根管治療)で消退する場合もありますが、大きくなったものでは、歯肉を切開し、顎骨を削って嚢胞を摘出し、さらに原因となった歯の根尖部を切除する歯根端切除術が必要になります。歯根端切除部の根管を緊密に閉鎖することが、再発や治癒不全を防ぐために重要です。
 嚢胞腔を開窓し、正常歯列にあるべき歯から起きている場合には、埋伏している歯を正常な位置へ萌出誘導し、埋伏歯を保存することを試みます。原因である埋伏歯過剰歯であったり、萌出方向が逆であったり、歯根の屈曲が強い場合や萌出誘導が不可能な場合は、嚢胞とともに歯を摘出します(図20)。
 なお、顎骨内腫瘍(がくこつないしゅよう)との区別が必要です。