歯周炎<歯と歯肉の病気>の症状の現れ方

 病変が進行すると、歯がぐらぐら揺れ始め、食べ物が噛みにくくなり、噛み合わせると痛みが出ることもあります。うみの袋ができて、痛みが激しくなったり、よくはれたり、出血しやすくなり、口臭を伴うなどの症状が顕著になってきます。重症になると歯を保つことができなくなり、抜くことになります(図33)。

歯周炎<歯と歯肉の病気>の診断と治療の方法

 歯周炎の原因は、歯肉炎と同様に口腔常在菌(こうくうじょうざいきん)がつくるプラークですが、歯周炎の病気の型によって、ある種の特定の細菌(歯周病原細菌)が関係しています(表2)。これらの細菌の多くは、空気を嫌う性質があるので、歯肉の上よりも歯周ポケット内のほうが定着・増殖するのに適した環境になります。
 したがって、歯周炎の治療も、プラークコントロールを基盤としたものになりますが、スケーリング(歯石除去)やルートプレーニング(歯根研磨)などの基本治療から、進行の程度によっては(中等度以上)小さな歯周外科手術を行う場合もあります。
 重症になると、歯がぐらついてくるので、補強するためにその部分を冠などによって連結します。治療不可能で歯を抜いた場合は、その部分に固定式あるいは取り外しのできる部分入れ歯を入れる必要があります。
 最近では、日常の生活習慣、たとえば、食習慣や喫煙習慣も歯周病とかなり密接に関係していることがわかってきています。通常の歯周治療では、壊れてしまった付着レベルや吸収してしまった歯槽骨のレベルを、元の正常な位置にまで回復することは大変難しいのです。
 治療法の多くは、歯周炎の進行を停止させるにとどまります。理想的な病気治療の原則は、原因を取り除くことです。歯周病の治療原則も、主たる原因であるプラークを除去することを基盤としています。しかし、プラーク量を減らすことはできても、完全に除去することはできません。このことは、噛み合わせの異常などの原因、全身に関わる原因についてもゼロにすることが極めて困難であることに通じます。
 また、歯科医院で、原因であるプラークや歯石などを一時的に除去しても、患者さんにそのプラークをためないようにする努力、すなわち家庭での口腔清掃の励行や食生活や喫煙などの日常生活習慣の改善がなくては、歯周病の治療効果は期待できません。
 人生80年の高齢社会において、歯周病の管理は、患者さんと歯科医の相互理解と協力のもとで長期間にわたって行われてはじめて、歯周病の再発や初発を予防することが可能となるといってよいでしょう。