扁桃肥大とはどんな病気か



 一般的に扁桃腺と呼ばれているのは、のどちんこ(口蓋垂(こうがいすい))の両側に見える口蓋扁桃(こうがいへんとう)(図12)が代表的なものですが、そのほか鼻の奥にある咽頭扁桃(いんとうへんとう)(アデノイド)、耳管扁桃(じかんへんとう)、舌根扁桃(ぜつこんへんとう)などがあります(図13)。
 これらの扁桃が、通常よりも大きくなった状態を扁桃肥大といいます。
 これらの扁桃は、鼻とのどに輪をつくるように存在しています。外界からの病原体に対する免疫を産生していることから、防御機能を果たしていると考えられています。
 最も大きなものが口蓋扁桃で、クルミのような外観のなかには10〜20本程度のトンネルがあり、広い表面積(295cm2)を有して、外界からの刺激や情報を受け入れやすい構造になっています。しかし、このように内部が複雑に入り組んだ構造が、かえって細菌感染を助長する原因になることがあります。

原因は何か

 扁桃は、生まれた時には痕跡(こんせき)程度ですが、さまざまな外からの刺激により活発な免疫反応が起こって肥大すると考えられています。
 口蓋扁桃、咽頭扁桃は、母体からの免疫が薄れる1歳すぎから相前後して生理的に大きさを増します。口蓋扁桃は2〜3歳ころより肥大が始まり、7〜8歳で最大になり、9〜10歳ころには自然に小さくなります。咽頭扁桃は、口蓋扁桃より1〜2年先行して大きくなり、6〜7歳ころに肥大のピークがあります。
 扁桃は、学童期後半に次第に小さくなりますが、肥大の程度、経過は個人差が大きく、時に大人になっても肥大が持続することがあります。たとえば、舌根扁桃は20〜30歳にかけて肥大します。女性では肥大が早期に出現し、男性に比べて舌根扁桃肥大がよくみられます。

症状の現れ方

 扁桃肥大は、直接に気道(鼻から肺までの空気の通り道)を狭くすることから、いびき睡眠時無呼吸(すいみんじむこきゅう)症候群を起こすことがあります。また、口蓋扁桃が大きすぎると、食事の際に嚥下(えんげ)障害を起こすことがあります。

検査と診断

 口蓋扁桃肥大の程度は次のように分けられます。 ・1度肥大:わずかに突出する場合。 ・2度肥大:1度と3度の中間。 ・3度肥大:扁桃が互いに接するほどの場合。 ・埋没性(まいぼつせい)肥大:組織のなかに埋もれて見えないが、実は肥大している場合。

治療の方法

 急性に肥大した場合であれば、薬物投与で改善することがあります。ただ、長期間にわたり肥大、閉塞(へいそく)症状が持続するようなら、扁桃を手術で摘出する必要があります。