唾液腺腫瘍とはどんな病気か

 大唾液腺(耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん))や小唾液腺に生じる腫瘍のことです。その約9割は耳下腺に発症します。
 耳下腺に発症する腫瘍の約8割は良性腫瘍ですが、顎下腺に生じる腫瘍の約4割は悪性です。舌下腺や小唾液腺の腫瘍の発症率は、これらに比べてかなり下がります。

原因は何か

 原因は明らかではありません。

症状の現れ方

 良性の腫瘍では、自覚症状がほとんどないか(このような場合は腫脹(しゅちょう)を他の人に指摘される場合が多い)、あっても、手で触るとよく動く無痛性の腫瘤(しゅりゅう)(こぶ)を自覚するのみです。最も多い良性多形腺腫は大きくなるのが非常に遅いため、何年も前から硬い腫瘤を自覚しているということもあります。
 悪性腫瘍の場合は、通常、腫瘤を自覚してから大きくなるスピードが速く、痛みや顔面神経麻痺が現れたり、放置すると頸部(けいぶ)のリンパ節転移が現れたりします。腫瘍は周囲の組織に浸潤(しんじゅん)するため、手指で腫瘤を持ち、前後上下に動かそうとしてもよく動かないのが普通です。

検査と診断

 唾液腺のはれがある場合は、触診やエコー(超音波)、CT、MRI検査などで、腫瘍かどうかをまずみる必要があります。腫瘍と診断された場合は、治療をするために良性か悪性かを見分ける必要があります。
 そのためには、問診や触診が重要です。また、前記の画像診断に加え、核医学(RI)検査や、細い針を刺して細胞をとる検査(細胞診)などが行われることもあります。

治療の方法

 手術が必要です。耳下腺や顎下腺では顔面神経が問題になります。顔面神経(顔の筋肉を動かす神経)は、耳下腺のなかを通り、一部の枝は顎下腺に接しています。
 良性腫瘍では神経をよけて腫瘍を摘出することが基本ですが、悪性腫瘍では神経の合併切除の必要なことが少なくありません。神経を切除すると、顔面神経麻痺が生じます。

唾液腺腫瘍に気づいたらどうする

 良性腫瘍でも、手術をうまく行わないと顔面神経麻痺や腫瘍の再発が生じます。唾液腺を専門とする耳鼻咽喉科の医師のいる病院を受診するとよいでしょう。