食道狭窄<食道・胃・腸の病気>の症状の現れ方

 いずれの病態でも、食道狭窄により嚥下困難やつかえ感といった食物通過障害や体重の減少を訴えます。食道がんでは、進行するにつれて胸・背部痛や反回神経浸潤(しんじゅん)による声帯麻痺が生じ、嗄声(させい)(しわがれ声)が出現します。また、食道がんの気管・気管支、大動脈などへの浸潤・穿孔(せんこう)(孔(あな)があく)により、肺炎や出血を来すことがあります。
 一方、アカラシアでは同様に食物がつかえる感じがあり、通過障害や嘔吐などが現れます。固形物よりも冷たい液体が通りにくく、緊張状態や冷水などの寒冷刺激で症状が増悪(ぞうあく)するなどの特徴があるといわれています。

食道狭窄<食道・胃・腸の病気>の診断と治療の方法

 良性食道狭窄では保存的治療を優先します。
 逆流性食道炎では、プロトンポンプ阻害薬の内服や食道の拡張術を行います。内科的治療では効果がない抵抗性の狭窄に対しては、手術が選択されます。
 食道がんでは、その深達度により治療方針が大きく変わります。それは、粘膜がんではリンパ節転移の可能性が極めて低いのに対し、粘膜下層中層よりも深く浸潤したものでは、40%以上で転移が認められるためです。

(1)内視鏡的切除術
 壁深達度が粘膜上皮、粘膜固有層の病変は、リンパ節転移が極めてまれで周在性3分の2以上の病変が絶対的適応です。また、壁深達度が粘膜筋板や粘膜下層浅層(200μmまで)の病変で、臨床的にリンパ節転移のない症例は相対的適応となります。

(2)外科的切除術
 標準的食道がん根治術は、右開胸開腹胸部食道切除、頸胸腹部(けいきょうふくぶ)3領域リンパ節郭清(かくせい)、胃管再建術です。近年の内視鏡下手術の普及に伴い、食道がん根治術においても胸腔鏡、腹腔鏡が用いられる場合もあります。

(3)放射線療法、化学療法
 切除ができない症例に対して行われます。また、両者を組み合わせた化学放射線療法も、根治的療法として施行されます。

(4)食道ステント術
 食道がんないし食道がん治療後の変化による食道狭窄のため、経口摂取困難な症例に対する姑息(こそく)的(一次的)治療として自己拡張型メタリックステントを挿入します。