放射線腸炎<食道・胃・腸の病気>の症状の現れ方

 放射線治療中に起こる早期障害では、放射線宿酔(しゅくすい)に伴う全身倦怠(けんたい)感や食欲不振、下痢、下腹部痛、軽度の下血などが照射後3〜7日めにみられますが、これらの症状は一過性で、放射線治療が終了すると消失します。
 これに対して晩期障害は、腸粘膜だけでなく腸管全体に病変が生じるため、強い粘膜の炎症や深い潰瘍ができ、持続的あるいは間欠的な下血やしぶり腹がみられ、時に大量出血することもあります。また、腸管の狭窄により腹痛や便の細小化がみられ、狭窄が高度になると腸閉塞(ちょうへいそく)を起こすこともあります。この他にも、膀胱や腟が瘻孔(ろうこう)を形成し、気尿(きにょう)(気泡が混じる尿)や腟からの糞便の排泄がみられたり、腸管の穿孔(せんこう)により腹膜炎を起こすこともあります。

放射線腸炎<食道・胃・腸の病気>の診断と治療の方法

 早期障害に対しては、照射中であれば、照射を中止します。それに加えて中心静脈栄養による腸管安静、サラゾピリンやステロイドの投与などの保存的治療が行われます。
 晩期障害に対しては、軽症であれば早期障害の時と同様に保存的治療が試みられますが、保存的療法が無効であった時には外科的治療が試みられます。理論的には、病変部が切除され腸管再建が行われればよいわけですが、切除は困難であり合併症の頻度が高いため、小腸病変に対してバイパス手術、直腸病変に対しては人工肛門造設術にとどまることが多いのが現状です。