虫垂炎<食道・胃・腸の病気>の症状の現れ方

 腹痛、食欲不振、発熱、吐き気、嘔吐が主な症状です。典型的な経過としては、上腹部やへそのまわりが突然痛み出し、次に発熱、吐き気や嘔吐、食欲不振が起こります。数時間もすると吐き気は止まり、数時間から24時間以内に痛みが右下腹部に移ってきます。この部分を押して離した時に痛みがひどくなります(反跳痛(はんちょうつう)、ブルンベルグ徴候)。ただ、このような典型的な症状を示すことは決して多くなく、半数程度にすぎません。
 発熱は37〜38℃の微熱のことが多く、39℃以上の場合は穿孔性腹膜炎や膿瘍形成を考える必要があります。

虫垂炎<食道・胃・腸の病気>の診断と治療の方法

 急性虫垂炎の病期は、前述したように大きく3段階に分かれており、軽いほうからカタル性、蜂窩織炎性、壊疽性と分類されています。かつては虫垂炎との診断が得られれば、すべて手術していました。しかし最近では、薬物療法が進歩し、カタル性のものについては、抗生物質による内科的治療で治るようになっています。よく「虫垂炎をちらす」といういい方をしますが、これは薬剤で炎症を緩和することを指します。ただし、薬物療法の場合、10〜20%の割合で再発します。
 腹膜刺激徴候が明らかな場合や、画像検査で虫垂が1cm以上に腫大(しゅだい)して虫垂の壁構造の破綻や膿瘍がある場合は、虫垂炎が蜂窩織炎性や壊疸性まで進んだことを意味しており、緊急手術が必要です。早期に手術を行った場合、死亡率は1%未満と非常に低く、入院期間も1週間程度ですみます。
 手術方法としては、従来から行われている「開腹手術」と、「腹腔鏡を用いる手術」の2通りがあります。まず、開腹手術ですが、これには「交差切開法」と「傍腹直筋(ぼうふくちょっきん)切開法」があります。交差切開法は傷が目立たないのが利点です。一方、傍腹直筋切開法は、おなかのなかにうみがたまっていた場合でも、その方向に切開する長さを延長できるのが特徴です。
 腹腔鏡による手術は、おなかに小さな穴をあけるだけですから、傷が極めて小さく、入院期間も2〜3日で短くてすみます。
 それぞれの方法には、メリット、デメリットがありますので、手術を受ける場合には、医師の説明を十分に聞いてから選択することが大事です。