腹膜癒着(癒着性腹膜炎)とはどんな病気か

 腹膜癒着は、手術操作などによる腹膜の炎症性刺激によって起こるとされ、癒着性腹膜炎とも呼ばれます。

原因は何か

 原因として最も多いのは、腹部手術後の腹腔内臓器の癒着ですが、手術歴のない患者さんにもみられることがあります。いずれにせよ、腹腔は炎症性あるいは機械的に刺激されて障害を起こすと障害部にフィブリンと呼ばれる物質を析出し、すみやかに接着して感染を遮断し創傷面の治癒を促進しようとする結果、癒着が起こります。

症状の現れ方

 腹膜癒着は、癒着の部位・程度で症状が異なりますが、一般的には、腹痛、腹部膨満感(ぼうまんかん)、便秘などの不定愁訴の症状が多いとされています。腹膜の癒着は、手術後の治癒過程のひとつであり、個人差・癒着の程度により症状が出ない場合もあります。癒着が強く腸の狭窄(きょうさく)が強ければ、腸閉塞(ちょうへいそく)の症状を示します。手術前の患者さんの手術に対する期待や、病気に対する理解度が術後の症状の発生に関係するともいわれています。

検査と診断

 腹膜癒着に特有な検査はありません。ただし、腸の狭窄による腸閉塞症状を示した場合には、腹部単純X線検査が有用です。この検査により拡張した腸管、腸閉塞に特徴的な所見である鏡面像がみられます。

治療の方法

 腹膜癒着は、軽度の場合には対症療法だけが行われます。腸の狭窄による腸の閉塞症状が強い場合には手術を要することがあります。

腹膜癒着(癒着性腹膜炎)に気づいたらどうする

 腹膜癒着は、手術に伴うことがほとんどなので、手術を受けた病院での経過観察が必要です。時には心身医学的な治療が必要なことがあります。