C型急性肝炎<肝臓・胆嚢・膵臓の病気>の症状の現れ方

 現在では輸血後にC型急性肝炎が起きることは非常にまれですが、血液製剤中のHCVを検査できなかった時代(1991年以前)には多数みられました。このような過去の例を検討すると、C型急性肝炎では、肝臓の大部分が破壊され黄疸(おうだん)や褐色尿(かっしょくにょう)(コーラやウーロン茶様)がみられるような症例は比較的まれであり、血液中の肝逸脱酵素(いつだつこうそ)(ALTやAST)の軽度上昇(1000IUmlまで上昇しないことが多い。A型あるいはB型急性肝炎ではピーク時には1000IUmlを超し、時には2000IUml以上となる)のみで確認され、本人の自覚症状もない場合が多数あることが知られていました。
 通常ウイルスに暴露(ばくろ)後14〜180日(平均45日)で症状が出ると考えられています。食欲不振や全身倦怠感(けんたいかん)なども、他の急性肝炎に比べ軽いのが特徴です。おおよそ20%の患者さんでかぜのような症状がみられますが、新規発生の患者さんでは倦怠感、腹痛、強い食欲不振あるいは黄疸などの強い症状はみられなかったとの報告もあります。

C型急性肝炎<肝臓・胆嚢・膵臓の病気>の診断と治療の方法

 C型急性肝炎の治療は、その慢性化の阻止(そし)(ウイルスの持続感染化防止)に尽きます。急性肝炎では重症化・劇症化することもあるため入院治療を原則としますが、C型急性肝炎では症状・検査値も軽いため、多くの場合入院が不要です。しかし前述したように高率で慢性化するため、肝不全兆候を認めない場合には、慢性化を阻止するために積極的に治療を行います。
 1991年に、日本の小俣らはC型急性肝炎はインターフェロン治療によって80〜90%の確率でウイルスが駆除できるという研究結果を世界で初めて報告しました(ランセット誌)。一方、未治療の場合は逆に約80%が慢性化(ウイルス感染持続)するということも明らかになりました。それ以降、インターフェロンとリバビリンとの併用療法などが、ワクチンのないC型肝炎の慢性化阻止の切り札となりました。肝臓の破壊を推定する目安のひとつであるALT(GPT)やAST(GOT)などのトランスアミナーゼが高値の場合、肝庇護(かんひご)薬(強力ネオミノファーゲンCなど)の静脈注射などをすることがありますが、治療の目的はあくまでもウイルスの駆除です。