劇症肝炎<肝臓・胆嚢・膵臓の病気>の症状の現れ方

 劇症肝炎に特徴的な症状は肝性脳症(意識障害)ですが、初期症状は通常の経過をたどる急性肝炎と何ら変わりはありません。前述したように発熱、かぜ様症状、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐などが最初に現れ、尿の色が濃くなって黄疸(おうだん)に気づくようになります。
 意識障害出現までの日数はさまざまで、急性型と亜急性型がありますが、急性型のうち、肝炎様症状に続いて2〜3日で出現する場合を超急性型と呼んでいます。
 亜急性型ではあまり症状がなく、徐々に黄疸や腹水が増加したあとに、急に意識障害が現れることもしばしばみられます。
 肝性脳症の程度は、昏睡度(こんすいど)分類(表2)に従って判定します。昏睡II度になると誰が見てもわかるようになり、興奮状態やせん妄状態となり、体動が激しくなります。しかし、昏睡I度の判定は専門家でも難しい場合があります。

劇症肝炎<肝臓・胆嚢・膵臓の病気>の診断と治療の方法

 劇症肝炎の内科的治療法を表3に示しました。基本的には、肝性脳症の改善を図り、破壊された肝細胞が再生されるまで人工肝補助(血漿交換(けっしょうこうかん)など)を行い、合併症(腎不全播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)、感染症、脳浮腫)の発生を防ぐことが重要です。
 人工肝補助は、肝細胞の広汎な壊死(えし)および肝機能の低下によって体内にたまった中毒性物質(アンモニアなど肝性脳症の原因となる物質)の除去と、不足した必須物質(凝固因子(ぎょうこいんし)など)を補充することを目的としています。
 原因ウイルスが明らかな例では、抗ウイルス療法も行われます。