自己免疫性肝炎<肝臓・胆嚢・膵臓の病気>の症状の現れ方

 自己免疫性肝炎に特徴的な症状はありませんが、病院を初めて受診する際に、約60%が倦怠感(けんたいかん)を、35%が黄疸(おうだん)を訴えています。そのほかの症状として、食欲不振、関節痛、発熱があげられますが、無症状の人もいます。中年の女性で上記の症状に肝障害を伴う場合は、自己免疫性肝炎を疑う必要があります。
 また、関節リウマチ慢性甲状腺炎(まんせいこうじょうせんえん)など、ほかの自己免疫疾患の合併も多く認められます。
 肝臓がんの合併はウイルス肝炎に比べて少ないとされています。

自己免疫性肝炎<肝臓・胆嚢・膵臓の病気>の診断と治療の方法

 自己免疫性肝炎の特徴として、多くの患者さんにおいて副腎皮質ステロイド薬が著効を示すことがあげられます。通常、プレドニゾロン(プレドニン)を1日30〜40mgで治療を開始します。その後、血液データを観察しながら5mgずつ減量していき、1日5〜10mgまで減量したところで、これを維持量として長期に継続して内服してもらいます。80%以上の患者さんで症状の改善が得られますが、なかにはステロイド薬が効きにくい患者さんもいます。
 治療に際しての問題点は、ステロイド薬の副作用にあります。多量のステロイド薬を長期にわたり使用すると、糖尿病骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、易(い)感染性(感染症にかかりやすくなること)、消化性潰瘍(胃潰瘍)などを来すことがあり、十分な注意が必要です。ステロイド薬の副作用が心配な時は、アザチオプリン(イムラン)を併用するとステロイド薬の投与量を半分に減らすことができます。ただし、アザチオプリンを併用する時は、骨髄抑制(こつずいよくせい)などの副作用に注意する必要があります。
 自己免疫性肝炎はステロイド薬が有効なら予後は比較的良好ですが、無効例では肝硬変に至り亡くなられる人もいます。最近、軽症例にはウルソデオキシコール酸(ウルソ)の投与も試みられています。