門脈圧亢進症<肝臓・胆嚢・膵臓の病気>の症状の現れ方

 通常は、基礎となる病気の症状が先行し、のちに脾腫による腹部膨満(ぼうまん)、脾機能亢進(ひきのうこうしん)による血球破壊のために生じる貧血、食道静脈瘤破綻(はたん)による吐血・下血などの症状が現れます。時には突然、食道・胃静脈瘤の破綻による吐血で発症します。

門脈圧亢進症<肝臓・胆嚢・膵臓の病気>の診断と治療の方法

 その病態から生じる二次的な病態(静脈瘤、腹水、脾腫など)に対する対症療法が主体です。その中心は食道・胃静脈瘤に対する治療で、これには予防的治療、待機的治療、緊急的治療があります。
 予防的治療とは、破綻しそうな静脈瘤(内視鏡により判断)に対して行います。待機的治療とは、破綻出血後、時期をおいて行うものです。緊急的治療とは破綻出血している症例に止血を目的に行う治療です。
 静脈瘤の治療は、1980年ころまでは外科医による手術治療が中心でしたが、最近では内視鏡を用いた治療(内視鏡的硬化療法、静脈瘤結紮(けっさつ)療法)が第一選択として行われています。
 内視鏡的硬化療法には、直接、静脈瘤内に硬化剤を注入する方法と、静脈瘤の周囲に硬化剤を注入し、周囲から静脈瘤を固める方法があります。いずれも静脈瘤に血栓形成を十分に起こさせることにより、食道への副血行路を遮断するのが目的です。
 静脈瘤結紮療法は、ゴムバンドを用いて静脈瘤を壊死(えし)に陥らせ、組織を荒廃させ、結果的に静脈瘤に血栓ができることが目標となります。
 最近では内視鏡的静脈瘤結紮療法が、手技が簡便なことから多くの施設で行われており、急性出血の治療には良い結果が得られていますが、静脈瘤の消失を目的にする時は硬化療法が併用されています。
 これらの治療には、副血行路の状態をみるために、血管造影や超音波を用いた検査が行われます。胃静脈瘤に対しては血管造影を用いた塞栓(そくせん)療法も用いられます。また、門脈圧を下げるような薬剤を用いた治療、手術が必要な症例もあり、これには副血行路の遮断や血管の吻合術(ふんごうじゅつ)が行われます。