遊走腎<腎臓と尿路の病気>の症状の現れ方

 臥位・座位などによりおさまる腰痛、側腹部痛、腰背部痛を訴えることが多く、その多くは鈍痛で、立位歩行や荷重などで、症状が悪化します。
 血尿は、腹痛と並んで遊走腎でよくみられる症状で、通常は目に見えない顕微鏡的血尿が主体です。肉眼的血尿がみられることもありますが、血尿により貧血を生じることはありません。また立位で背中を反る体位をとった時に、軽微な蛋白尿(たんぱくにょう)を認めることもあります。
 尿路症状として頻尿(ひんにょう)、残尿感、排尿痛などの膀胱刺激症状を訴える人もいますが、遊走腎による特異的症状とはいえません。そのほか食欲不振、吐き気、下痢、便秘、胃部膨満感(ぼうまんかん)などを訴えることもあります。

遊走腎<腎臓と尿路の病気>の診断と治療の方法

 遊走腎は症状がない場合はそのまま経過観察し、上記のような症状がある場合でも、原則的に保存的治療を優先すべきです。重い病気ではなく、腎不全にはならないことを理解することが重要です。
 保存的治療としては、やせている人は腎周囲の脂肪を増加させ、腎臓の支持・補強を行うため体重を増加させます。
 また、理学療法として腹筋・背筋力強化のための運動療法を行うとともに、コルセットや腹帯などを用いて腹壁の緊張を保持します。
 遊走腎に対する単独の手術として腎固定術が行われることは、極めて少数です。