腎移植を受けるには



 基本的には、すべての末期腎不全患者さんが腎移植の適応となりますが、困難なケースもあります(表19)。腎移植の適応基準は、医療の進歩とともに変化することがあるので、現時点では腎移植が困難な場合でも、諦めずに相談してみることが大切です。
 献腎移植希望者は、通常は主治医の了解を得て、「社団法人日本臓器移植ネットワーク(http://www.jotnw.or.jp/)」に施設登録された病院から希望する病院を選び受診します。希望者はその施設で移植に関する説明と診察を受け、腎移植可能と判断された場合、患者さん本人の意思を確認し、血液型や組織適合性(HLAタイピング)などの検査を受けます。


 それから腎臓移植希望者登録用紙に記入(患者さんと担当医の双方)し、日本臓器移植ネットワークのブロックセンターに郵送します。この時、希望者は登録料(3万円)を振り込み、手続きが完了します(図10)。
 ただし、注意点として、腎移植の場合は、地域によって登録手続きが異なるので、必ず日本臓器移植ネットワークまで問い合わせをしてください。

献腎移植のシステム

 腎臓の提供者が現れた場合(腎移植は脳死ではなく心臓死でも可能)、ABO血液型の一致と抗体反応陰性が前提条件であり、さらに提供施設と移植施設の所在地、組織適合度(HLAタイピング)、待機日数、小児待機患者(16歳未満加点あり)などに基づいた選定基準からコンピュータで候補者を選び、その人の健康状態に問題がない場合には移植を受けられます。

腎移植の問題点

 腎移植手術自体に関する重篤な合併症は、まれです。しかし拒絶反応などを抑えるために免疫抑制薬やステロイド薬を長期服用するので、副作用がしばしば現れます。
 副作用には(1)感染症、(2)骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、(3)大腿骨頭壊死(だいたいこつとうえし)、(4)耐糖能異常(糖尿病)、(5)悪性腫瘍、(6)腎障害、(7)骨髄抑制、(8)下痢などの消化器症状などがあります。しかし、薬や移植技術の進歩とともに副作用も変わってきますので、よく説明を受けてください。

日本の腎移植の現状

 日本の腎移植の総数は2006年以降年間1000人を超えるようになりましたが、そのうち80%以上は生体腎、つまり肉親より腎臓の提供を受けた移植です。献体腎移植の数は残念ながらほとんど変化がなく、ここ数年は年間200例以下を推移しています。
 治療成績はかなりよく、1982年〜2004年までに施行された腎移植のデータによると生存率(腎移植の場合、移植した腎臓が機能しなくなっても人工透析にもどり、生命維持が可能)は生体腎移植で1年95%、5年90%、10年85%、20年73%以上です。献体腎の場合は1年90%、5年83%、10年76%、20年63%以上でした。
 腎臓の生着率(移植した腎臓がはたらいている患者さんの割合)は、生体腎で1年93%、5年81%、10年65%、20年40%以上です。献体腎で1年82%、5年65%、10年50%、20年31%以上となっています。