急性・慢性前立腺炎<男性生殖器の病気>の診断と治療の方法

 原因になっている尿中の細菌の種類を調べて、この細菌に対して有効な抗生剤の投与を行います。尿閉に対しては膀胱瘻(ぼうこうろう)といって下腹部の恥骨(ちこつ)の上を穿刺(せんし)して尿を体外に導く管を設置するか、尿道留置カテーテルを用いて、排尿路を確保する必要があります。
 水分の補給を十分に行い、高熱のある症例では安静の確保と点滴注射のため入院治療をすすめます。重症例では敗血症(はいけつしょう)を生じ、生命の危険を伴うこともあるので注意が必要です。急性炎症を起こした前立腺には抗生剤が到達しやすいので、1週間くらいですみやかに快方に向かいます。
 通常は入院の必要はなく、通院治療で十分対応できます。検出された細菌に有効な抗生剤を使って治療します。抗生剤は慢性炎症を生じた前立腺には到達しにくいので、急性前立腺炎よりも長期間(数カ月)の投与が必要です。
 生命の危険など重い病態を示すことは、通常ありません。
 抗菌薬が第一選択とされることが多いのですが、決定的な治療法は確立されていません。
 炎症性のものでは細菌とクラミジアの両方に有効な抗菌薬が投与されます。非炎症性のものでは筋肉の緊張をゆるめる薬や、温座浴などの温熱治療、漢方薬が用いられます。さらに精神科医との連携も必要な場合があります。
 いずれにしても症状の軽減までには長い時間が必要です。このため患者さんによっては、不安感が強くなり次々に医療機関をかえて受診を繰り返すことになります。治癒までには時間がかかりますが、生命に関わるような重大な疾患に進む危険性のないことを患者さんに説明して、まず安心してもらうことが治療の第一歩です。
 病状を深刻にとらえず、症状と付き合っていくように生活指導だけ行い、投薬せずに経過観察することもあります。日常生活上の注意点としては、長時間の座位を避けて体を動かすこと、過度の飲酒を避けることなどがあげられます。性生活は避ける必要はありません。