甲状腺機能亢進症(バセドウ病)<内分泌系とビタミンの病気>の症状の現れ方

 甲状腺ホルモンが過剰になると全身の代謝が亢進するので、食欲が出てよく食べるのに体重が減り(高齢になると体重減少だけ)、暑がりになり、全身に汗をかくようになります。
 精神的には興奮して活発になるわりにまとまりがなく、疲れやすくなり、動悸(どうき)を1日中感じるようになります。手が震えて字が書きにくくなり、ひどくなると足や全身が震えるようになります。イライラして怒りっぽくなり、排便の回数が増えます。大きさに違いはありますが、ほとんどの症例で軟らかいびまん性の甲状腺腫(こうじょうせんしゅ)が認められます。
 バセドウ病では眼球が突出するとよくいわれますが、実際には5人に1人くらいです。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)<内分泌系とビタミンの病気>の診断と治療の方法

 抗甲状腺薬治療、手術、アイソトープ治療の3種類がありますが、通常、抗甲状腺薬治療をまず行います。
 抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル)は甲状腺ホルモンの合成を抑える薬です。この薬で合成を抑えると、4週間くらいで甲状腺ホルモンが下がり始め、2カ月もすると正常になって、自覚症状はなくなり、完全に治ったようになります。しかし、原因のTRAbが消えるのは2〜3年後なので、TRAbが陽性の間は抗甲状腺薬をのみ続ける必要があります。
 いつまでもTRAbが陰性にならない時は、甲状腺を一部残して切除する甲状腺亜全摘(あぜんてき)出術をするか、放射性ヨードを投与して甲状腺を壊すアイソトープ治療をすることになります。このどちらを選ぶかは、甲状腺の大きさや年齢、妊娠の希望などを考慮して決定します。なお、抗甲状腺薬は妊娠中でも医師の指示のもとに服用することができます。
 バセドウ病は女性では100人に1人の頻度でみられる病気で、決してまれなものではありません。自覚症状がなくなっても治ったわけではなく、いつ薬をやめるか、薬物治療以外の治療に切り替えるかなど難しい点もあるので、できれば甲状腺専門医と相談しながら治療することをすすめます。