糖尿病白内障<代謝異常で起こる病気>の症状の現れ方

 白内障の初期症状は“まぶしい”や“かすむ”などで、進行すると視力の低下を自覚するようになります。真性糖尿病白内障ではそれらの症状が急激に進行しますが、大多数を占める仮性糖尿病白内障では徐々にそれらの症状が現れてきます。視力の低下を自覚し日常生活に支障を来すようになれば、白内障手術が必要になってきます。
 また糖尿病網膜症が合併している場合には、その管理(眼底検査、蛍光(けいこう)眼底造影検査、網膜レーザー光凝固(ひかりぎょうこ))のために早期に白内障の治療が必要な場合もあります。

糖尿病白内障<代謝異常で起こる病気>の診断と治療の方法

 糖尿病白内障の発症・進行には、血糖コントロールの良否、罹病(りびょう)期間、年齢、網膜症の程度が関連しています。とくに血糖コントロールが進行を抑えるのに有利にはたらくと考えられますが、水晶体の混濁は一度進んでしまうと、血糖コントロールや薬物治療などで改善させることはできません。したがって白内障手術が、現時点では唯一の根治的治療方法といえます。
 現在の標準的な白内障の手術は、超音波水晶体乳化吸引術+眼内レンズ移植術です。通常は局所麻酔で行われます。手術は、(1)水晶体前嚢(ぜんのう)に円形の切開、(2)角膜と強膜(きょうまく)の境界付近の3mm程度の切開創(そう)から入れた超音波乳化吸引装置により、水晶体核を破砕して吸引、(3)水晶体嚢内に残留した皮質の吸引、(4)眼内レンズを水晶体嚢内(のうない)に移植、(5)閉創といった手順で進められます。手術時間は通常十数分で、糖尿病であってもその他の眼合併症がなければ比較的安全に行うことができます。
 しかし、血糖コントロールが不良であれば手術合併症の危険性が高くなり、やはり良好にコントロールした状態で手術にのぞむほうがよいと一般的に考えられています。
 一方、急激なコントロールは網膜症の悪化などを来すことがあり、また糖尿病網膜症が進行している眼では、網膜レーザー光凝固治療や硝子体手術の必要性から血糖コントロールを待たずに早急に白内障手術が必要な場合があります。また、糖尿病網膜症の病期が進行しているほど手術合併症が高くなると考えられています。したがって手術のタイミングは、内科的な状態と眼科的な状態を十分に考慮したうえで判断されるべきです。