骨髄異形成症候群<血液・造血器の病気>の症状の現れ方

 ひとつあるいは複数の血球減少のため、息切れ・動悸(どうき)・倦怠感(けんたいかん)などの貧血症状、発熱、出血傾向などがみられます。これらは何年も変わらないこともあれば、数カ月で進行することもあります。
 MDSは、主に芽球(がきゅう)の比率、形態異常を示す血球の系統数、芽球の割合、染色体異常の種類などによって表5のように7つの病型に大別されます。一般に、芽球の割合が高いほど白血病に移行する確率が高くなります。治療方針を決定するためには、国際予後判定システム(IPSS、表6)を用いて予後を予測する必要があります。スコアによって生存期間が大きく異なることがわかります(表7)。

骨髄異形成症候群<血液・造血器の病気>の診断と治療の方法

 低リスクMDSでは予後を左右するのは骨髄機能の低下であるため、蛋白同化ステロイド薬や免疫抑制療法などの再生不良性貧血に準じた治療が行われます。また、活性化ビタミンDやビタミンKなどの分化誘導療法が効く例もあります。
 エリスロポエチンという赤血球産生刺激ホルモンが効いて輸血が不要になる例もありますが、日本では保険が適用されていません。輸血が必要な若年の患者さんに対しては同種造血幹細胞移植が考慮されます。
 高リスクMDSでは、イダルビシンとシタラビン(キロサイド)という抗白血病薬を組み合わせた治療によって50〜70%に寛解(かんかい)(症状がおさまった状態)が得られます。ただし、通常の急性骨髄性白血病とは違って、寛解が維持できる例はまれとされています。高齢の患者さんが多いため、シタラビンやエトポシドなどによる少量療法も試みられていますが、治療関連死亡は少ないものの寛解導入率は20〜30%にとどまっており、生存期間の延長にはつながらないとされています。
 根治を期待できる唯一の治療方法は、同種造血幹細胞移植です。かつては同種移植の年齢の上限は50歳とされていましたが、最近の支持療法の進歩や、骨髄非破壊的(こつずいひはかいてき)同種造血幹細胞移植(いわゆるミニ移植)の開発によって、70歳くらいの患者さんまで適応が広がっています。
 近年では、アザシチジンやデシタビンなどの脱メチル化薬によって、支持療法単独よりも生存期間が有意に延長されることが示されています。また、レナリドマイドという新薬は5q‐の染色体異常をもつMDSに著効を示します。これらの薬剤は、日本でも臨床試験が終了しており、間もなく保険薬として認可されると思われます。