悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫)<血液・造血器の病気>の症状の現れ方

 しばしばリンパ節腫脹から始まります。痛みがないため、気がついた時にはかなり大きくなり、また複数部位のリンパ節が同時に腫大してくることもあります。
 なお、日本人の場合、リンパ節腫脹以外で起こるリンパ腫(節外性リンパ腫)の形で発症するものが40%ほど存在します。リンパ節以外の全身ほぼすべての臓器から発生する可能性がありますが、日本人では胃から起こる症例が多いといわれています。節外性リンパ腫の場合も症状が乏しく、検診などで偶然見つかることがあります。
 全身症状としては、発熱、全身の倦怠感(けんたいかん)、体重減少、寝汗などがあります。とくにホジキンリンパ腫では38℃を超える発熱、全身のかゆみを訴えることがあります。

悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫)<血液・造血器の病気>の診断と治療の方法


ホジキンリンパ腫
 限局型(前述のI期、II期)では化学療法を3〜4コース行い、その後病変があった部位を中心に放射線療法を行うのが、最近では一般的になっています。その理由は、全身に広がっているかもしれない病巣を根絶して治すためです。この治療で大部分の人が5年以上生存します。
 全身型(前述のIII期、IV期)では化学療法を行います。最近では70%以上の症例で寛解(かんかい)(一時的に正常な状態になること)となり、その半数以上が10年間再発することなく生存できます。
 ホジキンリンパ腫に対する標準的化学療法は、ABVD療法(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)とされています。

非ホジキンリンパ腫
 ホジキンリンパ腫と同様に、限局型(I期、II期)では化学療法を3〜4コース行い、その後病変があった部位を中心に放射線療法を行うのが一般的です。限局型に対して放射線療法と化学療法を併用して行った場合、70%以上の症例で長期生存が得られます。
 全身型(III期、IV期)は、強力な化学療法を行うことにより60〜80%の症例で寛解が得られ、2年以上寛解を継続した例では長期生存が期待されます。
 非ホジキンリンパ腫に対する現時点での標準的化学療法は、CHOP療法(シクロホスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)です。
 B細胞性リンパ腫の90%以上の症例に発現しているCD20抗原と特異的に結合するモノクローナル抗体のリツキシマブは、前治療がある症例に単独で使用しても30%以上の奏効率を示しましたが、リツキシマブと化学療法を併用すると非常に高率で寛解が得られることが、多くの研究より判明しました。したがって、現在B細胞性非ホジキンリンパ腫に対しては、リツキシマブと化学療法が標準的治療法と考えられています。
 化学療法に耐性(たいせい)が生じた症例と寛解後に再発した症例には、自家造血幹細胞(じかぞうけつかんさいぼう)移植(自己の骨髄(こつずい)または末梢血幹細胞の移植)と組み合わせた大量化学療法が適応となります。また、最近の研究では全身型(III期またはIV期)、一般状態の不良(外来通院が困難な程度)、血清LDHの高値が予後と相関することがわかり、これらの因子を有する患者さんに対して、初回治療時より自家造血幹細胞移植を計画することの意義も検討されています。