フォン・ヴィレブランド病<血液・造血器の病気>の症状の現れ方

 病型により出血症状が異なります。I型の出血症状は概して軽度で、II型では重症の出血を起こすことがあります。皮膚や粘膜出血が特徴的で、なかでも鼻出血がよくみられ、皮下出血、口腔内出血、月経過多などもみられます。III型(I型のホモ接合体:父および母から受け継いだ遺伝子がともに同じ異常をもつこと)では血液凝固第VIII因子も著しく減少するため、血友病と同様な関節出血を起こすことがあります。
 一般に幼少時から出血症状は現れますが、軽症例では成人してから外傷、手術、分娩時に初めて診断されることもあります。また、年齢とともに出血症状は軽くなる傾向があります。

フォン・ヴィレブランド病<血液・造血器の病気>の診断と治療の方法

 出血症状は軽症のことが多いのですが、抜歯時、手術時には適切な治療を必要とします。妊娠時、I型では第VIII因子とともにフォン・ヴィレブランド因子の血中濃度も上昇して止血異常は正常化しますが、II型・III型ではほとんど正常化せず、分娩時に適切な治療が必要になります。

(1)デスモプレシン投与療法
 内因性フォン・ヴィレブランド因子の放出を促し、血液製剤使用に伴う副作用がないことから、I型には第一選択治療法として推奨されます。この治療法はI型に有効ですが、IIB型には禁忌とされています。

(2)補充療法
 フォン・ヴィレブランド因子を多く含む第VIII因子製剤(コンファクトF、コンコエイトHT)の投与を行います(凝固第VIII因子として10〜30単位kgを1日 1回、静脈注射)。この治療法は全病型に有効です。

(3)その他
 鼻出血、歯肉出血あるいは抜歯時の止血には、抗線溶薬(こうせんようやく)であるトラネキサム酸(トランサミン)の服用が有効です。