脂漏性皮膚炎とはどんな病気か

 頭や顔面などの皮脂の多い部位(脂漏(しろう)部位)や、腋(わき)の下などの汗や摩擦(まさつ)の多い部位に皮膚炎が現れる病気で、新生児期から乳児期にみられるものと思春期以降、主に成人にみられるものに分けられます。

原因は何か

 皮脂の多い部位に常在するマラセチアなどの酵母による皮膚炎という説が有力です。成人では、ビタミンB群の不足や、肉体的・精神的ストレス、低温度・低湿度が悪化の原因になります。

症状の現れ方

 乳児脂漏性皮膚炎は、生後まもなくから発症し、髪の生え際から頭の皮膚、額や眉毛部に黄色いかさぶたと淡い紅斑(こうはん)がみられます。かゆみはほとんどありません。
 成人脂漏性皮膚炎は青壮年期に多く、頭部から髪の生え際のフケと淡い紅斑(こうはん)、額や鼻翼部(びよくぶ)から時には顔面全体に広がる黄白色の鱗屑(りんせつ)(皮膚表面からはがれ落ちる角質)がついた紅斑が特徴です。腋(わき)の下や鼠径部(そけいぶ)、前胸部や上背部のVゾーンにも同様の症状がみられることがあります。軽いかゆみを伴います。

検査と診断

 脂漏部位に境界がはっきりした紅斑が現れた時には、本症を疑います。頭部のほかに肘(ひじ)や膝(ひざ)に厚い鱗屑のついた紅斑がみられる場合は尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)、腋の下や鼠径部(そけいぶ)の紅斑はカンジダなどの真菌感染症の可能性があるので、皮膚科で診察を受けます。
 乳児では体幹や四肢の皮膚炎の有無、かゆみの強さ、家族のアレルギー歴などを参考にアトピー性皮膚炎と見分けます。

治療の方法

 乳児脂漏性皮膚炎は一般に短期間で治ります。頭部の厚い鱗屑にはベビーオイルやワセリンを塗った数時間後に洗髪し、かさぶたを優しくとってあげます。顔の炎症が強い時には、ステロイド含有軟膏を数日間外用します。症状が強い時には頭部にステロイドローション、顔面・体幹の病変にはステロイド軟膏を外用します。軽くなったものや軽度の病変なら抗菌剤のケトコナゾール(ニゾラール)クリームやローション、ミコナゾールシャンプーが有効なことがあります。

脂漏性皮膚炎に気づいたらどうする

 乳児、成人とも石鹸やシャンプーでの洗髪・洗顔・入浴を適度に行うことが大切です。成人の脂漏性皮膚炎は、慢性・再発性で数カ月から数年続いたあと次第に治癒に向かうことが多いので、根気よく治療を続ける必要があります。