血栓性静脈炎とはどんな病気か

 静脈の内膜に炎症を生じ、血栓ができ、静脈閉塞を生じることで、通常は片側の下肢に腫脹(はれ)と疼痛を来します。

原因は何か

 長時間の手術や分娩などで体を動かさない人に生じますが、普段は健康な成人でも、長時間の飛行機や自動車旅行などで座った姿勢をとり続けると血栓形成の原因になります。血液が固まりやすい体質をもった人(血液凝固異常)にもみられます。

症状の現れ方

 下肢の皮膚表面に近い静脈に病気が起こった場合では、静脈に沿って発赤としこりができます。痛みを伴うことが多く、時には発熱を伴います。深部の静脈血栓では下腿の後面、あるいは重症例では下肢全体に、歩行時の鈍痛、圧迫感が認められます。
 健康な側に比べて著しくはれて硬くなっていることが多く、微熱、心拍数の増加などの全身的な炎症症状が現れてきます。疼痛、はれがひどくなると歩行も困難になります。血栓が肺にまで至り、肺梗塞(はいこうそく)を併発することもあります。

検査と診断

 血液検査でフィブリノゲン(血液凝固因子のひとつ)の増加がみられます。脈管用のカラー超音波検査で、痛みもなく的確に診断できます。また、この病気は大部分が片側にだけ現れることで区別できます。

治療の方法

 原則は下肢を持ち上げた体位での安静と、抗凝固薬、血栓溶解薬などによる薬物療法になります。詰まった静脈のなかに細いカテーテル(管状の器具)を通し、血栓溶解薬を点滴して血栓を溶かす治療は、早いほど効果があがります。放っておくと足が壊死(えし)してしまうので、血栓を除去する手術を行うこともあります。

血栓性静脈炎に気づいたらどうする

 病院に行く時も、できるだけ歩いて行かないで、自動車の後部座席で下肢を伸ばして持ち上げた状態で行くのがよいでしょう。入院して治療を早期に受けることが重要です。