熱傷(やけど)<皮膚の病気>の症状の現れ方

 強い痛みが初期症状ですが、深い熱傷では神経の障害のため痛みがない場合があります。熱傷の深さによって1度、2度、3度の熱傷に分けられています。

1度熱傷
 最も軽いタイプで、表皮のみが障害を受けて、皮膚が赤くなってヒリヒリと痛みますが、水疱(すいほう)(水ぶくれ)にはなりません。通常は1週間以内に治ります。

2度熱傷
 表皮の下の真皮に達する熱傷です。強い痛みがあり、熱傷受傷後24時間以内に水疱ができます。浅い2度熱傷は2〜3週間程度で治り、跡形を残しませんが、深い2度熱傷は治るまでに3週間以上かかり、痕形を残します。

3度熱傷
 皮膚は壊死(えし)を起こして神経も変性するため、むしろ痛みを感じません。皮膚表面は白くなり、あるいは黒く硬い焼痂(しょうか)(焼けこげて黒くなった状態)でおおわれていることもあります。壊死を起こした皮膚はやがて脱落しますが、その後は深い潰瘍となります。
 熱傷を起こした部分に感染を起こすと、傷は深くなり、治りにくくなるとともに痕形も残りやすくなります。
 広範囲の熱傷では、循環血液量の減少に伴って尿量の減少や頻脈がみられることがあります。受傷面積が10%以上あればショック(血圧低下を来す)を起こす可能性があり、小児では5%でもそのおそれがあります。
 深い熱傷が治ったあとは、隆起した肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)(ケロイド様の痕形)となりますが、関節部では拘縮(こうしゅく)(硬くなってひきつれること)を起こして、伸展・屈曲の際に可動制限が生じることがあります。

熱傷(やけど)<皮膚の病気>の診断と治療の方法

 初期治療は、冷やすことです。1度熱傷のような軽症であれば、無治療またはステロイド外用薬のみの使用で軽快します。
 2度熱傷の場合は、水疱部を消毒のうえ穿刺(せんし)して、なかにたまった液体を抜きますが、水疱の蓋は取り除きません。水疱の蓋(ふた)が取れてしまった場合は、ブタの乾燥皮膚やハイドロコロイドなどの被覆材を貼付(ちょうふ)したり、創部にトラフェルミン(創傷治療促進薬)を使用する場合もありますが、必ずしも必要ではありません。
 ワセリンなど症状に適した外用薬をガーゼに伸ばして患部にあて、ぬらさないように注意をします。ただし、顔面はガーゼをあてないで、開放のままにする開放療法がよいとされています。表皮の形成が遅く潰瘍が続く場合は、壊死組織や変性組織の除去と皮膚移植が行われます。
 3度熱傷では、壊死組織を除去しないと治癒が遅れ、壊死組織の下で細菌が繁殖しやすくなります。
 広範囲の熱傷では血液量が減少し、血圧低下や腎機能低下の原因となるので輸液が必要になります。早期に輸液を行わないと、ショックを起こして生命に危険が及びます。