放射線皮膚炎とはどんな障害か

 放射線照射による皮膚障害です。短期間に過度の放射線を浴びて起こる急性放射線皮膚炎と、少量の放射線を繰り返して浴びたために起こる慢性放射性皮膚炎があります。
 通常は起こりませんが、悪性腫瘍の治療時や放射線被曝(ひばく)の事故、または仕事で少量の放射線を繰り返し被曝することにより発症します。

症状の現れ方

 放射線は細胞のDNAを傷害し、細胞分裂に対して強い影響を及ぼします。放射線には数種類の性質の異なるものがあり、このため被曝による症状の強さは放射線の種類、強さ、被曝時間などによって異なります。しかし、放射線の種類を問わず、皮膚症状としては同様のものが現れます。
 短期間に大量に被曝したために起こる急性放射線皮膚炎では、重症度によって現れる症状は異なります。
 軽症の場合は局所がはれて赤くなり、軽度の痛みを伴う場合がありますが、その後、褐色の色素沈着を残して治ります。
 中等症の場合は、受傷3〜6日後に患部がはれて小水疱、びらんが現れ、痛みも強いものとなります。軽快するまでに数カ月を要し、色素沈着や脱毛などの変化を残しやすくなります。
 重症の場合は、熱傷(ねっしょう)と同様の症状が現れ、難治性の潰瘍を残します。
 慢性放射線皮膚炎では、病巣部から皮膚がんが発生することもあります。

検査と診断

 慢性放射線皮膚炎による皮膚がんを除外診断するために、皮膚を採取して病理組織検査をする必要があります。
 急性の放射線皮膚炎は、すぐに医師の診察と治療が必要です。また慢性放射線皮膚炎では、慢性的に放射線に被曝していないかどうかのチェックが必要です。

障害に気づいたらどうする

 以前に被曝した部分に隆起性のものができたり、潰瘍が治らなかったりした場合は、生検(病理組織検査)によって皮膚がんや前がん状態になっていないかどうかのチェックが必要です。